らう)” の例文
をぎ一四六尾花のたけ人よりもたかく生茂おひしげり、露は時雨めきて降りこぼれたるに、一四七三つのみちさへわからざる中に、堂閣の戸右左みぎひだりたふれ、方丈はうぢやう一四八庫裏くりめぐりたるらう
東金堂におはします仏法最初の釈迦の像、西金堂に坐ます自然じねん湧出ゆしゆつの観世音、瑠璃るりを並べし四面のらう、朱丹を交へし二階の楼、九輪空に輝きし二の塔、たちまち煙となるこそ悲しけれ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
月の夜のらうに船くる海の家すだれにかけぬ花藻のふさを
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
むせびつつ杜鵑とけん昼啼きこだましぬ鶏冠山のくづれたるらう
見よ、一天いつてん紺青こんじやうの伽藍のらうの色にして
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
ほのぼのと、らういづる白きころも
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
階下のらう左側ひだりがはしつから
らうを踏むよなゑひごこち
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)