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らう
荻一四六尾花のたけ人よりもたかく
生茂り、露は時雨めきて降りこぼれたるに、
一四七三つの
径さへわからざる中に、堂閣の戸
右左に
頽れ、
方丈一四八庫裏に
縁りたる
廊も
東金堂に
坐ます仏法最初の釈迦の像、西金堂に坐ます
自然湧出の観世音、
瑠璃を並べし四面の
廊、朱丹を交へし二階の楼、九輪空に輝きし二
基の塔、
忽ち煙となるこそ悲しけれ。
月の夜の
廊に船くる海の家すだれにかけぬ花藻のふさを
咽びつつ
杜鵑昼啼きこだましぬ鶏冠山のくづれたる
廊
見よ、
一天は
紺青の伽藍の
廊の色にして
階下の
廊の
左側の
室から