“拱廊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょうろう87.5%
そでろうか12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
拱廊きょうろうのあいだから見あげると、青い空がわずかに見え、雲が一片流れていた。そして、寺院の尖塔せんとうが太陽に輝いて蒼天そうてん屹立きつりつしているのが眼にうつった。
身をひるがえして、日も射さねば仄暗ほのぐら拱廊きょうろうをやや急ぎ足に渡つて行く。黒い影が、奥まつた急な階段をものの二丈ほど音もなく舞ひ昇つて、やがて上の姫の居間のしきいに立つた。
ジェイン・グレイ遺文 (新字旧仮名) / 神西清(著)
ねえ熊城君、たしかあの男は、拱廊そでろうかにあった具足の鞠沓まりぐつを履いて、その上に、レヴェズの套靴オヴァ・シューズを無理やりめ込んだに違いないのだ
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
最初は、続いて階下の薬物室を調べるような法水の口吻くちぶりだったが、彼はにわかに予定を変えて、古式具足のならんでいる拱廊そでろうかの中に入って行った。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)