“杜鵑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほととぎす72.6%
とけん16.1%
ほとゝぎす11.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
深い谷間には檜葉ひばの木が沢山生えて居りますが杜鵑ほととぎすは月の出たのを悦びてか幽邃ゆうすいなる谷の間より美しい声を放って居ります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
山の嶮しい姿と言ひ、杉の青みといひ、徂徠する雲といひ、必ず杜鵑ほととぎすの居さうな所に思はれたが、雨の烈しいためかつひに一聲をも聞かなかつた。
鳳来寺紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
メルルと云つて日本の杜鵑ほととぎすと鶯の間の樣な聲をする小鳥が夜明には來て啼くが、五時になると最早もう雀の啼き聲と代つて仕舞ふ。
巴里にて (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
たとえば江上の杜鵑ほととぎすというありふれた取り合わせでも、その句をはたらかせるために芭蕉が再三の推敲すいこう洗練を重ねたことが伝えられている。
俳諧の本質的概論 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
この『小桜縅』から田山花袋たやまかたいが出身したはうぐいすの巣から杜鵑ほととぎす巣立すだちしたようなものだ。
杜鵑とけん行衛ゆくゑは、問ふことを止めよ、天涯高く飛び去りて、絶対的の物、即ち Idea にまで達したるなり。
人生に相渉るとは何の謂ぞ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
杜鵑とけん亭の食堂はすなはち道のり込んだ空地あきちなのであるから十四五分して小さい料理店の家の中から客を見附けた給仕女が布巾ふきんを持つて出て来て卓を拭く。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
いとかすけく曳くはが子のの裾ぞ杜鵑とけんまつなるうすくらがりに
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
しかし、旅先のこととて、何もござらぬが、それでは、娘が吹いた笛の音が、この御縁をむすんだこと故、途中で求めた品でござるが、この杜鵑とけんなづけた一管を、お誓いのしるしがわりに、お持ちくださるまいか
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼れは実を忘れたる也、彼れは人間を離れたる也、彼れは肉を脱したる也、実を忘れ、肉を脱し、人間を離れて、何処いづこにか去れる、杜鵑とけんの行衛は問ふことを止めよ、天涯高く飛び去りて絶対的の物即ち理想アイデアルにまで達したる也。
さるにても、按摩あんまふえ杜鵑ほとゝぎすに、かしもすべきこしを、むすめいろちようとした。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
之にたし鐵翁てつおうの句がございまして、句「三光さんこうの他は桜の花あかり」句「声かぎり啼け杜鵑ほとゝぎす神の森」これは先代茂木佐平治の句で
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
メルルと云つて日本の杜鵑ほとゝぎすうぐひすの間の様な声をする小鳥が夜明よあけには来てくが、五時になると最早もう雀のき声と代つて仕舞しまふ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
そして廣間の両側に居流れた家来たちと共に、夫人から出された「杜鵑ほとゝぎす」の題について諷詠ふうえいを競った。
凡そ一切の物は、それ/\の氣の寓處やどりばとなつて居るのであるから、衆花は晝に開くのに、暮に及んで開くものもあり、衆鳥は曉に勇むのに、夜に入つて勇む梟や杜鵑ほとゝぎすの類も有り、羣獸は晝に出で夜に伏すのに
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)