“ほとゝぎす”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
時鳥48.7%
杜鵑17.9%
不如帰10.3%
郭公10.3%
子規7.7%
時島2.6%
杜宇2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かつをも裏長屋まで行渡つて、時鳥ほとゝぎすも珍らしくはなく、兩國橋を渡つて、大川の上手へ出ると、閑古鳥かんこどり行々子よしきりも鳴いてゐた時代です。
さるにても、按摩あんまふえ杜鵑ほとゝぎすに、かしもすべきこしを、むすめいろちようとした。わたしみづかいきどほつてさけあふつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
諸新聞の批評も概して悪くない。甘い物にはちがひないが、これなら日本に移しても「不如帰ほとゝぎす」で廉価な涙を流させるより功徳の多い事だと思ふから一寸ちよつと簡単に僕の観た所を紹介しよう。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
卯花と云ひ、郭公ほとゝぎすと云ふは、皆夏の節物せつぶつである。霞亭は夏に入つて猶福山にゐたのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
二人はこんなことを言ひながら、やつとこぶしをひらき始めたやうな蕨を手に余るほど採りつゝ歩いた。山際では鳩がのんきさうにホウ、ホウと鳴いてゐた。子規ほとゝぎすも鶯も啼いた。
父親 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
明るくなつた庭、縁側に腰をかけると、何處かで時島ほとゝぎすの啼くのが聞えて、今日も暑くなり相な鱗雲うろこぐもが、朝の空に黄金色に漂ふのです。
杜宇ほとゝぎすが人を掠めるやうにして鳴いた。
スケツチ (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)