“ほととぎす”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ホトトギス
語句割合
時鳥54.1%
杜鵑22.5%
郭公10.0%
不如帰7.7%
子規2.4%
蜀魂1.9%
霍公鳥1.0%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空模様が少しよくなって夕焼がした。夜になると夜鷹が近くで喧しい程鳴き立てる。時鳥ほととぎすと同じ鳴声であるが、調子が高くって鋭い。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
メルルと云つて日本の杜鵑ほととぎすと鶯の間の樣な聲をする小鳥が夜明には來て啼くが、五時になると最早もう雀の啼き聲と代つて仕舞ふ。
巴里にて (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
と驚いて居る時、秀吉は既に此処に移転して、「なきたつよ北条山の郭公ほととぎす」と口吟くちずさんで、涼しい顔をして居た。
小田原陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
ゆき子は珍しさうに、坂道の両側の家々をのぞいて歩いた。不如帰ほととぎすで有名な伊香保と云ふところが、案外素朴そぼくで、如何にもロマンチックだつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
私は翁の書をそでにしたなり、とうとう子規ほととぎすくようになるまで、秋山しゅうざんを尋ねずにしまいました。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そこで釣寄つりよせて置いて……ほんありがた山の蜀魂ほととぎす、一声漏らそうとはうれしいぞえ嬉しいぞえ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
夏山の若葉立ちくぐ霍公鳥ほととぎすなれもなのらな君が御幸みゆき
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
蛙既に雅致ありとせば、鶯、ほととぎす、雁、虫は言ふに及ばず、あらゆる事物悉く趣致を備へざらんや。芭蕉が蛙の上に活眼を開きたるは、即ち自然の上に活眼を開きたるなり。
古池の句の弁 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)