“ほととぎす”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ホトトギス
語句割合
時鳥53.7%
杜鵑23.4%
不如帰8.5%
郭公8.5%
子規2.1%
蜀魂2.1%
霍公鳥1.1%
0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「山はまだ花の香もあり時鳥ほととぎす、井月。ところどころに滝のほのめく、文室」——そんな附合つけあひも残つてゐる。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
七月下旬に沓掛へ行ったときは時鳥ほととぎすが盛んに啼いたが、八月中旬に再び行ったときはもう時鳥を聴くことが出来なかった。
KからQまで (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
持統天皇の吉野行幸は前後三十二回にも上るが、杜鵑ほととぎすく頃だから、持統四年五月か、五年四月であっただろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
この『小桜縅』から田山花袋たやまかたいが出身したはうぐいすの巣から杜鵑ほととぎす巣立すだちしたようなものだ。
熱海に尾崎紅葉の「金色夜叉」の碑あり、逗子には「不如帰ほととぎす」の浪子不動が土地の名物として存在を主張している。
すずめ雌雄しゆうを知らず不如帰ほととぎすの無慈悲を悟らずして、新しき神学説を蝶々ちょうちょうするも何ぞ。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
と驚いて居る時、秀吉は既に此処に移転して、「なきたつよ北条山の郭公ほととぎす」と口吟くちずさんで、涼しい顔をして居た。
小田原陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
露に湿しめりて心細き夢おぼつかなくも馴れし都の空をめぐるに無残や郭公ほととぎすまちもせぬ耳に眠りを切って罅隙すきま
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
私は翁の書をそでにしたなり、とうとう子規ほととぎすくようになるまで、秋山しゅうざんを尋ねずにしまいました。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
絵はうまくできているが、そばに久方ひさかた雲井くもいの空の子規ほととぎすと書いてあるのは、なんのことだか判じかねた。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この女の心は美しく、磨いた鏡のようなものであろう、月、花、うぐいす蜀魂ほととぎすきたって姿を宿すものが、ありのまま色に出るのである。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこで釣寄つりよせて置いて……ほんありがた山の蜀魂ほととぎす
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
一首の意は、信濃の国の須賀の荒野に、霍公鳥ほととぎすの鳴く声を聞くと、もう時季が過ぎて夏になった、というのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
また「霍公鳥ほととぎすしぬぬにれて」(同・一九七七)等の例もあり人間以外のれた用例の一つである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
蛙既に雅致ありとせば、鶯、ほととぎす、雁、虫は言ふに及ばず、あらゆる事物悉く趣致を備へざらんや。
古池の句の弁 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)