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不如帰
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ほととぎす
ふりがな文庫
“
不如帰
(
ほととぎす
)” の例文
「
不如帰
(
ほととぎす
)
」の生命は川島武夫と片岡浪子の八字によって永遠に生きているのじゃないかといったような気持になって来るのだから容易でない。
創作人物の名前について
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ゆき子は珍しさうに、坂道の両側の家々を
覗
(
のぞ
)
いて歩いた。
不如帰
(
ほととぎす
)
で有名な伊香保と云ふところが、案外
素朴
(
そぼく
)
で、如何にもロマンチックだつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
熱海に尾崎紅葉の「金色夜叉」の碑あり、逗子には「
不如帰
(
ほととぎす
)
」の浪子不動が土地の名物として存在を主張している。
随筆銭形平次:14 捕物帖談義
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
不如帰
(
ほととぎす
)
」を読んだり、造花の
百合
(
ゆり
)
を眺めたりしながら、新派悲劇の活動写真の月夜の場面よりもサンティマンタアルな、芸術的感激に
耽
(
ふけ
)
るのである。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
雀
(
すずめ
)
の
雌雄
(
しゆう
)
を知らず
不如帰
(
ほととぎす
)
の無慈悲を悟らずして、新しき神学説を
蝶々
(
ちょうちょう
)
するも何ぞ。魚類の如き一として面白からぬはなく、
鰻
(
うなぎ
)
の如き最も不可解なる生物である。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
▼ もっと見る
独
(
ひとり
)
坐幽篁裏
(
ゆうこうのうちにざし
)
、
弾琴
(
きんをだんじて
)
復長嘯
(
またちょうしょうす
)
、
深林
(
しんりん
)
人不知
(
ひとしらず
)
、
明月来
(
めいげつきたりて
)
相照
(
あいてらす
)
。ただ二十字のうちに
優
(
ゆう
)
に
別乾坤
(
べつけんこん
)
を
建立
(
こんりゅう
)
している。この乾坤の
功徳
(
くどく
)
は「
不如帰
(
ほととぎす
)
」や「
金色夜叉
(
こんじきやしゃ
)
」の功徳ではない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
会津
(
あいづ
)
生れの山川
捨松
(
すてまつ
)
は十二歳(後の東大総長山川健次郎男の妹、大山
巌
(
いわお
)
公の夫人、
徳冨蘆花
(
とくとみろか
)
の小説「
不如帰
(
ほととぎす
)
」では、浪子——本名信子さんといった女の後の母に当る人)
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
○四月、本郷座にて藤沢浅二郎が徳冨蘆花の小説「
不如帰
(
ほととぎす
)
」を初めて脚色上演。大入りを占む。
明治演劇年表
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
破鏡の悲愁(「
不如帰
(
ほととぎす
)
」など)貧苦病苦の悲愁(「筆屋幸兵衛」など)子供をかせのいわゆるお涙
頂戴
(
ちょうだい
)
のスリル(「なさぬ仲」など)等、なかなかその種類は少なくない。
探偵小説の「謎」
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
いまにして思えば、あの品のいい愁い顔は「
不如帰
(
ほととぎす
)
」の女主人公を
彷彿
(
ほうふつ
)
させるものがある。
安い頭
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
喜多村緑郎があり、深沢恒造がありその他門下
各々
(
おのおの
)
英材が満ち充ちて役者に不足はなかったのだが脚本に全く欠乏していたのである、というのは、
不如帰
(
ほととぎす
)
でもなし、乳姉妹でもなし
生前身後の事
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
百年の後には「
金色夜叉
(
こんじきやしゃ
)
」でも「
不如帰
(
ほととぎす
)
」でもやはり古典になってしまうであろう
生ける人形
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
『
不如帰
(
ほととぎす
)
』や『乳姉妹』をなすったってこと。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「
不如帰
(
ほととぎす
)
」「
藤村
(
とうそん
)
詩集」「
松井須磨子
(
まついすまこ
)
の一生」「新朝顔日記」「カルメン」「高い山から谷底見れば」——あとは婦人雑誌が七八冊あるばかりで、残念ながらおれの小説集などは
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
不如帰
(
ほととぎす
)
の浪子さんが千年も万年も生きたいなんて云ってるけれど、あまりに人の世を御ぞんじないと云うものだ。花は一年で枯れてゆくのに、人間は五十年も御長命だ。ああいやな事だ。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「二十五の今日まで聞かず
不如帰
(
ほととぎす
)
」
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
不如帰
(
ほととぎす
)
ではないかしら」
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と同時にまたお君さんの眼にはまるで「
不如帰
(
ほととぎす
)
」を読んだ時のような、感動の涙が浮んできた。この感動の涙を
透
(
とお
)
して見た、小川町、
淡路町
(
あわじちょう
)
、須田町の往来が、いかに美しかったかは問うを待たない。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
如
常用漢字
中学
部首:⼥
6画
帰
常用漢字
小2
部首:⼱
10画
“不如帰”で始まる語句
不如帰去