スケツチスケッチ
何うも大袈裟の議論が多い。やれ国民的自覚とか、国民的同化とか、読んで見れば一応は筋道はわかつてゐるが、要するに筋で、肉でない。内容は頗る貧弱で、抽象的の断定ばかり下してゐる。かういふ抽象論は、明治以来何遍文壇に繰返されたか知れないけれど、遂 …