“出殻”のいろいろな読み方と例文
旧字:出殼
読み方割合
だしがら66.7%
でがら33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『僕は薄命児だ。余計者だ。』乃至『君はわれわれ農奴制の出殻だしがらに何を求めようというのか。』あるいはまた、『われわれは頽廃しつつあるのだ』といった調子だ。
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
私達はよく弟を、自分達が飲んだ後の出殻だしがらのお乳を飲んでいると云っては、からかった。
生い立ちの記 (新字新仮名) / 小山清(著)
空き家にひとしい“出殻でがら”となっている徳川家本国の中核へ、一挙に、致命を与えるべく、刻々近づいていたのである。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
津田君が三十匁の出殻でがら浪々なみなみこの安茶碗についでくれた時余は何となくいやな心持がして飲む気がしなくなった。茶碗の底を見ると狩野法眼かのうほうげん元信流もとのぶりゅうの馬が勢よくねている。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)