出殻でがら)” の例文
旧字:出殼
空き家にひとしい“出殻でがら”となっている徳川家本国の中核へ、一挙に、致命を与えるべく、刻々近づいていたのである。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
津田君が三十匁の出殻でがら浪々なみなみこの安茶碗についでくれた時余は何となくいやな心持がして飲む気がしなくなった。茶碗の底を見ると狩野法眼かのうほうげん元信流もとのぶりゅうの馬が勢よくねている。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)