出殻だしがら)” の例文
旧字:出殼
『僕は薄命児だ。余計者だ。』乃至『君はわれわれ農奴制の出殻だしがらに何を求めようというのか。』あるいはまた、『われわれは頽廃しつつあるのだ』といった調子だ。
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
私達はよく弟を、自分達が飲んだ後の出殻だしがらのお乳を飲んでいると云っては、からかった。
生い立ちの記 (新字新仮名) / 小山清(著)
道さ迷ったら教えて進ぜべい、とわしもう内へ帰って、婆様と、お客に売った渋茶の出殻だしがらで、茶漬え掻食かっくうばかりだもんで、のっそりその人の背中へ立って見ていると、しばらくってよ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
出殻だしがらのソツプのやうにして了つたものを小学生徒に読ませてゐる。
スケツチ (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)