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廊
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ろう
ふりがな文庫
“
廊
(
ろう
)” の例文
男は夢中のようで、のぼせ上がったふうで、門から近い
廊
(
ろう
)
の室の縁側に腰を掛けて、気どったふうに月を見上げているんですね。
源氏物語:02 帚木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
甘いすすり泣きに一
瞬
(
とき
)
しいんとなったかと思うと、あまりにも早いうちに、
廊
(
ろう
)
のどこかで衆僧の呼ぶ声がここの
男女
(
ふたり
)
を驚かせた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
田舎みやげの話し草に、若宮前で
御神楽
(
おかぐら
)
をあげて、ねじり
廊
(
ろう
)
の横手を通ると、種々の木の一になって育って居る木がある。
寄木
(
やどりぎ
)
、と札を立てゝある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
見よ、一天は
紺青
(
こんじよう
)
の
伽藍
(
がらん
)
の
廊
(
ろう
)
の色にして
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
渡殿
(
わたどの
)
の
廊
(
ろう
)
から、こう聞き覚えのある時信の声である。客として、わが
家
(
や
)
では、何度も迎えたことのある人。清盛は、いんぎんに、礼をした。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
幾つかの女御や更衣たちの御殿の
廊
(
ろう
)
を通い
路
(
みち
)
にして帝がしばしばそこへおいでになり、
宿直
(
とのい
)
をする更衣が上がり下がりして行く桐壺であったから
源氏物語:01 桐壺
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
すると、
廊
(
ろう
)
ノ
間
(
ま
)
のほのぐらい
簾
(
す
)
の外に、人影がさした。ひとりは直義で「——
兄者
(
あにじゃ
)
」と呼びかけるなり内へ入って、彼一人だけ遠くに坐った。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さっきからその高氏は、
掖門
(
えきもん
)
ノ
廊
(
ろう
)
に
床几
(
しょうぎ
)
をおいて、
内苑
(
ないえん
)
の梅でも見ている風だったが、ふと
過
(
よ
)
ぎりかけた部将の佐野十郎へ、こう呼びかけた。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まことに、彼女のほこらしさにすれば、
后町
(
きさきまち
)
ノ
廊
(
ろう
)
を通うたびにも、常に独りで、こう思惟していたことでもあろうか。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
李逵はそれを小耳にはさむと、窓際の踏み台を降り、庭から
廊
(
ろう
)
へ廻って、のそっと柴進の部屋へ首を突っ込んで来た。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ほれ。あそこに、柱が十本も並んでいる
草舎
(
くさぶき
)
の
廊
(
ろう
)
がある。あの廊の
端
(
はず
)
れに見える小さいお堂がそれでございますよ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「しゃつ! その口を八裂きにしてくるるぞよっ。侍ども、この人非人めの
皮膚
(
かわ
)
を
剥
(
は
)
いで、焼けたる
金鞭
(
かなむち
)
をもって打ちすえろ」
廊
(
ろう
)
から
唾
(
つば
)
をして、奥にかくれた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(四日はちょうど参詣のついで、ぜひ社殿の
廊
(
ろう
)
においてなと、隠れなき上手の舞をよそながら見たい)
日本名婦伝:静御前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして
廊
(
ろう
)
の角にたたずんだ。——すでに宵。青ぐろい
斑雲
(
まだらぐも
)
のすきまが星を打ち出している。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして東門
廊
(
ろう
)
まで大勢で送りだし、馬を引き寄せて、鞍の上まで手伝って押し上げた。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
将門は、奥へ行って、
廊
(
ろう
)
の
間
(
ま
)
の壁に身を寄せ、そっと、客の
人態
(
にんてい
)
を、覗いてみた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでいて、
廊
(
ろう
)
の天井へいっぱいになるほど、
偉
(
おお
)
きく見えるのであった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ふと見ると、
相国
(
しょうこく
)
清盛は、中門の
廊
(
ろう
)
まで出て、立っていたのである。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
廊
常用漢字
中学
部首:⼴
12画
“廊”を含む語句
歩廊
廊下
廻廊
外廊
柱廊
拱廊
廊架
畳廊下
渡廊
下廊下
廊下伝
廊廂
石廊
廊下灯
長廊
長廊下
橋廊下
回廊
殿廊
廊房
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