“渡殿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わたどの97.2%
わたりどの2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
困りながらも老女を戸口へ押し返すこともできずに、向かい側の渡殿わたどのの入り口に添って立っていると、源氏のそばへ老女が寄って来た。
源氏物語:03 空蝉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
と、やや落着いて、夕べをさかいに、ひとまず諸卿は中殿ちゅうでん(清涼殿)の昼ノ御座から西の渡殿わたどのを、休息のため、退がって行った。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
閉め忘れて来た渡殿わたりどのの入口の片側に、白桃の花が白々と月あかりに見えたので、今度は彼自身が思わず、深いタメ息をさせられた。
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
枕元の障子をすこしずつすこしずつ音を立てないように開けて廊下に出て、足音をぬすみ窃み渡殿わたりどの伝いに母屋おもやの様子を窺った。
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)