渡殿わたりどの)” の例文
閉め忘れて来た渡殿わたりどのの入口の片側に、白桃の花が白々と月あかりに見えたので、今度は彼自身が思わず、深いタメ息をさせられた。
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
枕元の障子をすこしずつすこしずつ音を立てないように開けて廊下に出て、足音をぬすみ窃み渡殿わたりどの伝いに母屋おもやの様子を窺った。
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)