“渡舟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わたし85.3%
わたしぶね8.8%
おろし2.9%
わた2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ぞろぞろと、渡舟わたしを下りた旅人たちが河原から上って来たのである。治郎吉は、お仙のからだを、からだで押すように、足を早めて
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第二図は頭巾ずきんかぶりしかみしもさむらい、町人、棟梁とうりょう、子供つれし女房、振袖ふりそでの娘、ものになふ下男など渡舟わたしぶね乗合のりあいたるを、船頭二人ふたり大きなる煙草入たばこいれをぶらさげへさきともに立ちさおさしゐる佃の渡しなり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
今日は浦人も城下に出でず、城下よりしまへ渡る者もなければ渡舟おろし頼みに来る者もなし。夜に入りて波ますます狂い波止場の崩れしかと怪しまるる音せり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
翌々日、二人は、手筈てはずしめし合わせて、向島から竹屋へ渡舟わたった。二人の後から五、六名の捕手とりてが、平和な顔をして、歩いて行った。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)