“渡渉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
としょう80.0%
とせふ10.0%
こえ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
軍日誌によると、一ノ宮、大垣、垂井の間をほとんど四日たらずで行軍しており、あげくに墨股すのまたでは、むりな雨中渡渉としょうまでおこなっている。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
対岸のよい釣場に早く行かうとして腰まで水のとゞく急な流れを渡渉とせふしながら、危く水中に倒れさうになつてゆつくりした滑稽な身振りでもつて片手に竿を片手に追鮎箱を高く差し上げる
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
河はもうこの一降ひとふりで水量みずかさを増していた。濁流が瀬の石に白い泡を噛んでいる。五条まで下がれば橋はあるが、範宴は浅瀬を見まわしてそこを渡渉こえて行こうとする。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)