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匝
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めぐ
ふりがな文庫
“
匝
(
めぐ
)” の例文
匝
(
めぐ
)
らせておるが、上のモは時として身幅に足らぬこともある。秋の境の涼しい朝夕には、キヌの上にさらに
半臂
(
はっぴ
)
を着る
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
岩の軒からは私達を
匝
(
めぐ
)
って雨垂れが太い水晶簾を懸る。それを水呑に受けて渇いた喉を潤した。
温
(
ぬ
)
るいが旨い味だ。
黒部川を遡る
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
一髪の道が通じて、旅人が通つてゐるのが、ふり仰がれる、その上に青緑の山は高くそびえ、川は勾配を急に、杉の培養林のある山を
匝
(
めぐ
)
る、
久根
(
くね
)
の銅山が見えて
天竜川
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
翌朝フエデリゴは博士マレツチイと共に我客舍に來て
促
(
うなが
)
し立て、打ち連れて馬車に上りぬ。車は
拿破里
(
ナポリ
)
の入江を
匝
(
めぐ
)
りて行くに、爽かなる朝風は海の面より吹き來れり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
日に
閻浮提
(
えんぶだい
)
洲を三度
匝
(
めぐ
)
って疲れず王の
念
(
おも
)
うままになって
毎
(
いつ
)
もその意に
称
(
かな
)
うという(『正法念処経』二、『法集経』一)。『修行本起経』に紺馬宝は珠の
鬣
(
たてがみ
)
を具うとあるもこれだ。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
さくらもしだれの柳も
匝
(
めぐ
)
る
春と修羅 第二集
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それを
匝
(
めぐ
)
って山の裾らしい朧ろの線が、雪田の縁に固く凍み付いて、上の方は有耶無耶に化けている。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
直
(
す
)
ぐ目の下に
鴨緑
(
おうりょく
)
色の水を湛えた菅沼が手に届く程に近い。湖を
匝
(
めぐ
)
って鬱蒼たる針葉樹の梢が無数の
鉾
(
ほこ
)
を建て
連
(
つら
)
ねたように、水際からひら地へ、ひら地から山腹へ、すくすくと立ち並んでいる。
秋の鬼怒沼
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
匝
漢検準1級
部首:⼕
5画
“匝”を含む語句
周匝
三匝
四匝
匝瑳
一匝
匝環
眼輪匝筋