“慈”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
いつく65.6%
いつくし18.0%
いつ3.3%
なさ3.3%
めぐ3.3%
やさ3.3%
1.6%
1.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“慈”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 芸術・美術 > 芸術史 美術史60.0%
文学 > フランス文学 > 小説 物語3.8%
文学 > 英米文学 > 小説 物語3.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
お絹さんを、私はあわれに、いとしくおもい、仏の眼のうるおいとゆるしとをもって、優しく、いつくしむ気でいます。
青春の息の痕 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
私はこの善と悪とに感じる力を人間の心に宿る最も尊きものと認め、そしてこの素質をさながら美しき宝石のごとくにめでいつくしむ。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
何故なら、濡れたがらくたの堆積の間に、春は植物をいつくしんでゐた——草や雜草などが、石や落ちたたるきの間のあちこちに生えてゐた。
彼をはばかりし父と彼をおそれし母とは、決して共に子として彼をいつくしむを忘れざりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それに一體君は、魔法使ひの婆さん見たいな人間は、君に仕事をさせて呉れるやうな方面にばかし居るんだと思つてるのが、根本の間違ひだと思ふがな。吾々の周圍——文壇人なんてもつとひどいものかも知れないからね。君のいふ魔法使ひの婆さんとは違つた、風流な愛とか人道とかいつくしむとか云つてるから悉くこれ慈悲忍辱の士君子かなんぞと考へたら、飛んだ大間違ひといふもんだよ。
子をつれて (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
それに一体君は、魔法使いの婆さん見たいな人間は、君に仕事をさせて呉れるような方面にばかし居るんだと思ってるのが、根本の間違いだと思うがな。吾々の周囲——文壇人なんてもっとひどいものかも知れないからね。君のいう魔法使いの婆さんとは違った、風流な愛とか人道とかいつくしむとか云ってるから悉くこれ慈悲忍辱にんにくの士君子かなんぞと考えたら、飛んだ大間違いというもんだよ。
子をつれて (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
が、其晩長崎の町には踏絵の鋳造者萩原裕佐が「特別なおなさけを以て」秘かに斬罪に処せられたと云ふ噂が拡まつた。
彼は起き上り、そして自分を捕へに来た者を再び蹴らうと足を上げた時、「助けてやらう。おなさけだ!」と云ふ声が後ろにして、刀が背中から彼の胸を突き抜いた。
しかしまた吶喊とめた上は、大将の命令を聴くのが当然だから、わたしは往々曲筆をめぐんでやらぬことがある。
「吶喊」原序 (新字新仮名) / 魯迅(著)
然して後に天皇のたまはく、朕がこども各異腹にして生る。然れども今ひとつ母同産おもはらからの如くてめぐましむ。則ちみそのひもひらきて、その六皇子を抱きたまふ。よりて以て盟ひてのたまはく、若しちかひたがはば、たちまちに朕が身をうしなはむ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
と飽くまでやさしき注意こゝろぞへ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
暖味のない夢に物寂た夜を明かしけるが、お浪暁天あかつきの鐘に眼覚めて猪之と一所に寐たる床よりそつと出るも、朝風の寒いに火の無い中から起すまじ、も少しさせて置かうとのやさしき親の心なるに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
諸王、諸臣、及び天下の百姓、ことごと長老おきなは愛児を失ふがごとく、塩酢之昧あぢはひ口に在れどもめず、少幼者わかきめる父母かぞうしなふが如くて
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
逍遙子はあらしに似たる批評家の花にならざるを怪めども、われは逍遙子が花に慈なるに過ぎて、風を憎むことの太甚はなはだしきを怪めり。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)