-
トップ
>
-
舂女
とにかくに是に
由って、且つ糯米の利用によって、
粢で物の姿を作る必要は半減した。従うてまた手杵と
舂女とはまったく
閑になったのである。
諸王、諸臣、及び天下の百姓、
悉に
長老は愛児を失ふが
如く、
塩酢之昧口に在れども
嘗めず、
少幼者は
慈める
父母を
亡ふが如くて、
哭き
泣つる声、
行路に満てり、
乃ち
耕夫は
耜を止め、
舂女は
杵せず。
神代の記録の中にも、すでに葬式の日に
舂女が働いたことが見えているが、その風は今でも
田舎にはなお残っている。