やさ)” の例文
お浪暁天あかつきの鐘に眼覚めて猪之と一所に寐たる床よりそつと出るも、朝風の寒いに火の無い中から起すまじ、も少しさせて置かうとのやさしき親の心なるに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
さあ遠慮を捨ててかずに、老衲をば朋友ともだち同様におもうて話すがよい、とあくまでやさしき注意こころぞえ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
も少しさせておこうとのやさしき親の心なるに、何もかも知らいでたわいなく寝ていし平生いつもとは違い、どうせしことやらたちまち飛び起き、襦袢じゅばん一つで夜具の上ね廻り跳ね廻り、厭じゃい厭じゃい
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と飽くまでやさしき注意こゝろぞへ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)