“いつくし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
52.2%
26.1%
五串8.7%
慈愛8.7%
厳美4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何故なら、濡れたがらくたの堆積の間に、春は植物をいつくしんでゐた——草や雜草などが、石や落ちたたるきの間のあちこちに生えてゐた。
両親を一時に失った私ども二人は、慈愛深い神父フリスチァンの手許てもとに引き取られて、その後を実父にも優ったいつくしみの下に育てられて参りました。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「えゝ……まけてけ、一番いちばん。」と、さらからねぢるやうに引摘ひつつかんで、べつ燒團子やきだんご五串いつくしへた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それは笹千代が男の子を儲けたことで、早速吉丸と名を付けて、宝の様に慈愛いつくしんだ。美しい女、不足無い衣食、そうして子さえ出来たので、心ゆくまでの大栄華に、彼は浸ることが出来たのである。
高島異誌 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
余り期待が大きかったので、これなら規模は小さいが、岩は寧ろ一之関の厳美いつくし渓の方がよいと思わず独語したのは、少しあてのはずれた腹癒はらいせに外ならない。
木曽駒と甲斐駒 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)