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圍
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かこ
ふりがな文庫
“
圍
(
かこ
)” の例文
新字:
囲
さて私の結婚
後
(
ご
)
の
生活
(
せいくわつ
)
は、
渦
(
うづ
)
のやうにぐる/\と私どもを
弄
(
もてあそ
)
ばうとしました、今猶
多少
(
たせう
)
の渦はこの
身邊
(
しんぺん
)
を取り
圍
(
かこ
)
みつゝあるけれども
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
夕涼
(
ゆふすゞ
)
みには
脚
(
あし
)
の
赤
(
あか
)
き
蟹
(
かに
)
も
出
(
い
)
で、
目
(
め
)
の
光
(
ひか
)
る
鮹
(
たこ
)
も
顯
(
あらは
)
る。
撫子
(
なでしこ
)
はまだ
早
(
はや
)
し。
山百合
(
やまゆり
)
は
香
(
か
)
を
留
(
と
)
めつ。
月見草
(
つきみさう
)
は
露
(
つゆ
)
ながら
多
(
おほ
)
くは
別莊
(
べつさう
)
に
圍
(
かこ
)
はれたり。
松翠深く蒼浪遥けき逗子より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その後へ玄龍先生は、
豫
(
かね
)
て湯島に
圍
(
かこ
)
つて居た今の内儀の時代を入れ、母親のお市、先妻のお直も承知の上で、改めて女房の披露をした。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これを
竪穴式石室
(
たてあなしきせきしつ
)
と
呼
(
よ
)
んでゐる
人
(
ひと
)
がありますが、
實
(
じつ
)
は
石
(
いし
)
の
部屋
(
へや
)
といふほどのものではなく、たゞ
簡單
(
かんたん
)
な
石
(
いし
)
の
圍
(
かこ
)
ひにすぎないのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
落
(
お
)
ち
掛
(
か
)
けた
日
(
ひ
)
が
少時
(
しばし
)
竹藪
(
たけやぶ
)
を
透
(
とほ
)
して
濕
(
しめ
)
つた
土
(
つち
)
に
射
(
さ
)
し
掛
(
か
)
けて、それから
井戸
(
ゐど
)
を
圍
(
かこ
)
んだ
井桁
(
ゐげた
)
に
蒞
(
のぞ
)
んで
陰氣
(
いんき
)
に
茂
(
しげ
)
つた
山梔子
(
くちなし
)
の
花
(
はな
)
を
際立
(
はきだ
)
つて
白
(
しろ
)
くした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
すべてわれらの
中
(
うち
)
天に歸りたりし者、かの光の上にありてこれを
圍
(
かこ
)
み
繞
(
めぐ
)
りつゝ、千餘の列より己を
映
(
うつ
)
せり 一一二—一一四
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
さうしてこの
水田
(
すいでん
)
の
東西南
(
とうざいなん
)
の
三方
(
さんぽう
)
は
比較的
(
ひかくてき
)
に
堅
(
かた
)
い
地盤
(
ぢばん
)
を
以
(
もつ
)
て
圍
(
かこ
)
まれてゐる。かういふ
構造
(
こうぞう
)
の
地盤
(
ぢばん
)
であるから、
地震
(
ぢしん
)
も
比較的
(
ひかくてき
)
に
烈
(
はげ
)
しかつたであらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
始終さうだつたのです。しかし私はもうソーンフィールド莊をたゝんでしまふ積りです。玄關の戸を
釘付
(
くぎづ
)
けにして下の窓は板で
圍
(
かこ
)
つてしまひます。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
このやくもたつなども、
古
(
ふる
)
い
書物
(
しよもつ
)
の
説明
(
せつめい
)
にさへ、
幾
(
いく
)
すぢもの
雲
(
くも
)
が
立
(
た
)
ち
圍
(
かこ
)
んだところから、いはれたものとしてゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
言寄
(
いひよ
)
る
語
(
ことば
)
に
圍
(
かこ
)
まれても、
戀
(
こひ
)
する
眼
(
まなこ
)
に
襲
(
おそ
)
はれても、いっかな
心
(
こゝろ
)
を
動
(
うご
)
かさぬ、
賢人
(
けんじん
)
を
墮落
(
だらく
)
さする
黄金
(
こがね
)
にも
前垂
(
まへだれ
)
をば
擴
(
ひろ
)
げぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
木曾
(
きそ
)
は
山
(
やま
)
に
圍
(
かこ
)
まれた
深
(
ふか
)
い
谷間
(
たにあひ
)
のやうなところですから、どうしても
峠
(
たうげ
)
一
(
ひと
)
つだけは
越
(
こ
)
さなければ
成
(
な
)
らなかつたのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
しながら
此處彼處
(
ここかしこ
)
へ
圍
(
かこ
)
ひ者をなし其上
屡々
(
しば/\
)
女郎買にも
行
(
ゆき
)
家
(
うち
)
の下女には手を付て
懷妊
(
くわいにん
)
させて金を取られいやはや女を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
卓
(
たく
)
を
圍
(
かこ
)
んでてんでに
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
す
氣焔
(
きえん
)
の
猛烈
(
まうれつ
)
なるは
言
(
い
)
ふまでもないことで、
政論
(
せいろん
)
あり、
人物評
(
じんぶつひやう
)
あり、
經濟策
(
けいざいさく
)
あり
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
畫題
(
ぐわだい
)
は『
自然
(
しぜん
)
の
心
(
こゝろ
)
』と謂ツて、ちらし
髪
(
がみ
)
の
素裸
(
すつぱだか
)
の
若
(
わか
)
い
婦
(
をんな
)
が、
新緑
(
しんりよく
)
の
雑木林
(
ざふきばやし
)
に
圍
(
かこ
)
はれた
泉
(
いづみ
)
の
傍
(
かたはら
)
に立ツて、自分の
影
(
かげ
)
の
水面
(
すゐめん
)
に映ツてゐるのを
瞶
(
みまも
)
ツてゐるところだ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
みのるはその頃の自分を
圍
(
かこ
)
ふやうな師匠の慈愛を思ひ出して、いたづらな涙にその胸を潤ほす日が多かつた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
唯
(
たゞ
)
、一
箇所
(
かしよ
)
、
丈餘
(
じやうよ
)
の
貝層
(
かひそう
)
の
下部
(
かぶ
)
から一二
尺
(
しやく
)
の
處
(
ところ
)
に、
小石
(
こいし
)
で
爐
(
ろ
)
の
如
(
ごと
)
く
圍
(
かこ
)
つた
中
(
なか
)
で、
焚火
(
たきび
)
をしたらしい
形跡
(
けいせき
)
の
個所
(
かしよ
)
が、
半分
(
はんぶん
)
切
(
きり
)
くづされて
露出
(
ろしゆつ
)
して
居
(
ゐ
)
るのを
見出
(
みいだ
)
した。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
で、そこはまた
拔目
(
ぬけめ
)
のない
所謂
(
いはゆる
)
政商
(
せいしやう
)
などは
莫大
(
ばくだい
)
もない
金
(
かね
)
を
賭
(
か
)
けて
張
(
ちやう
)
と
卓子
(
たくし
)
を
圍
(
かこ
)
む。そして、わざと
負
(
ま
)
ける。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
西町奉行
(
にしまちぶぎやう
)
荒尾但馬守
(
あらをたじまのかみ
)
は、
高
(
たか
)
い
土塀
(
どべい
)
に
圍
(
かこ
)
まれた
奉行役宅
(
ぶぎやうやくたく
)
の一
室
(
しつ
)
で、
腕組
(
うでぐ
)
みをしながら、にツと
笑
(
わら
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
それらの人々は鐵格子に掴まり、街の甃石の上を見下ろしたが、そこでも群衆が揉み合ひ何事かが起つてゐるらしいが、何を
圍
(
かこ
)
んで見てゐるのか判斷がしにくかつた。
末野女
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
よしや
良人
(
おつと
)
が
藝者狂
(
げいしやぐる
)
ひなさらうとも、
圍
(
かこ
)
い
者
(
もの
)
して
御置
(
おお
)
きなさらうとも
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
に
悋氣
(
りんき
)
する
私
(
わたし
)
でもなく、
侍婢
(
をんな
)
どもから
其樣
(
そん
)
な
噂
(
うわさ
)
も
聞
(
きこ
)
えまするけれど
彼
(
あ
)
れほど
働
(
はたら
)
きのある
御方
(
おかた
)
なり
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この私娼窟を
圍
(
かこ
)
んで商賣をしてゐるもの、醫者を初め、藥局、八百屋、豆腐屋、荒物屋、化粧品屋、要するに、彼女達の生活と直接關係を持つもの悉くが、有料、或ひは無料で
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
其
(
そ
)
れは
彼
(
かれ
)
が
古
(
ふる
)
くから
病院
(
びやうゐん
)
にゐる
爲
(
ため
)
か、
町
(
まち
)
で
子供等
(
こどもら
)
や、
犬
(
いぬ
)
に
圍
(
かこ
)
まれてゐても、
决
(
けつ
)
して
他
(
た
)
に
何等
(
なんら
)
の
害
(
がい
)
をも
加
(
くは
)
へぬと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
町
(
まち
)
の
人
(
ひと
)
に
知
(
し
)
られてゐる
爲
(
ため
)
か、
左
(
と
)
に
右
(
かく
)
、
彼
(
かれ
)
は
町
(
まち
)
の
名物男
(
めいぶつをとこ
)
として
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
君
(
きみ
)
、
兵
(
へい
)
を
引
(
ひ
)
いて
疾
(
と
)
く
大梁
(
たいりやう
)
に
走
(
おもむ
)
き・
(三九)
其街路
(
そのがいろ
)
に
據
(
よ
)
り・
其方
(
そのまさ
)
に
虚
(
きよ
)
なるを
衝
(
つ
)
くに
若
(
し
)
かず。
彼
(
かれ
)
必
(
かなら
)
ず
趙
(
てう
)
を
釋
(
す
)
てて
自
(
みづか
)
ら
救
(
すく
)
はん。
是
(
こ
)
れ
我
(
われ
)
一
擧
(
きよ
)
して
趙
(
てう
)
の
圍
(
かこ
)
みを
解
(
と
)
きて、
(四〇)
弊
(
へい
)
を
魏
(
ぎ
)
に
收
(
をさ
)
むる
也
(
なり
)
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
『
此處
(
こゝ
)
です。』と
一言
(
いちごん
)
を
殘
(
のこ
)
して、
先
(
ま
)
づ
鐵門
(
てつもん
)
を
窬
(
くゞ
)
つた、
私
(
わたくし
)
もつゞいて
其
(
その
)
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
ると、
忽
(
たちま
)
ち
見
(
み
)
る、
此處
(
こゝ
)
は、
四方
(
しほう
)
數百
(
すうひやく
)
間
(
けん
)
の
大洞窟
(
おほほらあな
)
で、
前後左右
(
ぜんごさゆう
)
は
削
(
けづ
)
つた
樣
(
やう
)
な
巖石
(
がんぜき
)
に
圍
(
かこ
)
まれ、
上部
(
じやうぶ
)
には
天窓
(
てんまど
)
のやうな
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
私
(
わたし
)
はかうして
皆
(
みな
)
さんに
圍
(
かこ
)
まれてゐると、
氣持
(
きもち
)
の
好
(
い
)
いサナトリウムにでも
來
(
き
)
てゐるやうですよ、
私達
(
わたしたち
)
の
爲
(
ため
)
にも、
病院
(
びやうゐん
)
やサナトリウムが
設備
(
せつび
)
されてゐたら、
此間
(
このあひだ
)
亡
(
な
)
くなつたSさんなんか、
屹度
(
きつと
)
また
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
「假りのおめかけや、たまに旦那に來て貰ふ
圍
(
かこ
)
ひ者ぢやアないよ!」
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
とり
圍
(
かこ
)
み、
且
(
か
)
つ
攻寄
(
せめよ
)
せてくるのでした。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
菜種
(
なたね
)
の花に
圍
(
かこ
)
まれて
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
夫婦
(
ふうふ
)
はこれに
刎起
(
はねお
)
きたが、
左右
(
さいう
)
から
民子
(
たみこ
)
を
圍
(
かこ
)
つて、
三人
(
さんにん
)
六
(
むつ
)
の
目
(
め
)
を
注
(
そゝ
)
ぐと、
小暗
(
をぐら
)
き
方
(
かた
)
に
蹲
(
うづくま
)
つたのは、
何
(
なに
)
ものかこれ
唯
(
たゞ
)
一
羽
(
は
)
の
雁
(
かり
)
なのである。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
店から
現金
(
げんきん
)
で一萬兩も持出して、妾を二人も
圍
(
かこ
)
つて居りました。三右衞門が丈夫になつて、
帳尻
(
ちやうじり
)
を見たら一たまりもありません。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
家財道具
(
かざいだうぐ
)
が
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
に
運
(
はこ
)
ばれた
時
(
とき
)
火勢
(
くわせい
)
は
既
(
すで
)
に
凡
(
すべ
)
ての
物
(
もの
)
の
近
(
ちか
)
づくことを
許容
(
ゆる
)
さなかつた。
家
(
いへ
)
を
圍
(
かこ
)
んで
東
(
ひがし
)
にも
杉
(
すぎ
)
の
喬木
(
けうぼく
)
が
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
この
貝塚
(
かひづか
)
の
附近
(
ふきん
)
だとか、
石器時代
(
せつきじだい
)
の
人
(
ひと
)
が
棲
(
す
)
んでゐた
跡
(
あと
)
を
發掘
(
はつくつ
)
する
時
(
とき
)
は、をり/\
石
(
いし
)
でもつて
取
(
と
)
り
圍
(
かこ
)
んだ
爐
(
ろ
)
の
跡
(
あと
)
だとか
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
しかしてその未だ
一周
(
ひとめぐり
)
せざるまに、いま一の碾石まろくこれを
圍
(
かこ
)
みつゝ、舞をば舞に歌をば歌にあはせたり 四—六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
けれども
先生
(
せんせい
)
は
其家
(
そのいへ
)
を
圍
(
かこ
)
む
幾畝
(
いくせ
)
かの
空地
(
くうち
)
を
自
(
みづ
)
から
耕
(
たがや
)
して
菜園
(
さいゑん
)
とし
種々
(
しゆ/″\
)
の
野菜
(
やさい
)
を
植
(
う
)
ゑて
居
(
ゐ
)
ます。
又
(
また
)
五六羽
(
ごろつぱ
)
の
鷄
(
にはとり
)
を
飼
(
か
)
ふて、一
家
(
か
)
で
用
(
もち
)
ゆるだけの
卵
(
たまご
)
を
採
(
と
)
つて
居
(
ゐ
)
ます。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
圍
(
かこ
)
ひの中の
上手
(
かみて
)
にある花壇や果樹床の間を歩く内、私の足は止つた——物音がしたのでもなく、何か見えたのでもなく、前知らせをするやうな匂ひの爲めである。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
出雲人
(
いづもびと
)
の
作
(
つく
)
つた、
幾重
(
いくへ
)
にも
取
(
と
)
り
廻
(
まは
)
す、
屏風
(
びようぶ
)
・
張
(
とばり
)
の
類
(
るい
)
よ。われ/\、
新
(
あたら
)
しく
結婚
(
けつこん
)
したものを
包
(
つゝ
)
むために、
幾重
(
いくへ
)
の
圍
(
かこ
)
ひを
作
(
つく
)
つてあることよ。あゝ、その
幾重
(
いくへ
)
の
屏風
(
びようぶ
)
・
張
(
とばり
)
よ。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
で、たとへば「
思
(
おも
)
はぬ
大利
(
たいり
)
あり」とか「
物事
(
ものごと
)
に
蹉跌
(
さてつ
)
あり、
西方
(
せいはう
)
凶
(
きやう
)
」などといふ、
考
(
かんが
)
へれば
馬鹿
(
ばか
)
らしい
暗示
(
あんじ
)
が
卓子
(
テーブル
)
を
圍
(
かこ
)
む
氣持
(
きもち
)
を
變
(
へん
)
に
動
(
うご
)
かすこと
我
(
われ
)
ながらをかしいくらゐだ。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
打過
(
うちすぎ
)
し
中
(
うち
)
或時重四郎又入り來りけるに平兵衞は相手
欲
(
ほし
)
やと思ふ
折柄
(
をりから
)
なれば重四郎殿
能
(
よく
)
こそ
御入來
(
ごじゆらい
)
ありしぞ
率々
(
いざ/\
)
一石參らんと
碁盤
(
ごばん
)
引寄
(
ひきよせ
)
重四郎を
相手
(
あひて
)
に
碁
(
ご
)
を
圍
(
かこ
)
み
茶菓子
(
ちやぐわし
)
などを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
葡萄園を
葭簀
(
よしず
)
で
圍
(
かこ
)
ツて氷店にして、氷をかく臺もあればサイホンの瓶も三四本見えた。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
炭
(
すみ
)
、
燒灰等
(
やけばいなど
)
が、
小石
(
こいし
)
で
圍
(
かこ
)
まれた一
小部分
(
せうぶぶん
)
に
滿
(
み
)
ちて
居
(
ゐ
)
るのを
見出
(
みいだ
)
しただけである。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
男
(
をとこ
)
らしく
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
る
時
(
とき
)
あきらめてお
金
(
かね
)
さへ
出來
(
でき
)
ようならお
力
(
りき
)
はおろか
小紫
(
こむらさき
)
でも
揚卷
(
あげまき
)
でも
別莊
(
べつさう
)
こしらへて
圍
(
かこ
)
うたら
宜
(
よ
)
うござりましよう、
最
(
も
)
うそんな
考
(
かんが
)
へ
事
(
ごと
)
は
止
(
や
)
めにして
機嫌
(
きげん
)
よく
御膳
(
ごぜん
)
あがつて
下
(
くだ
)
され
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
相手は藝子あがりのお
朝
(
あさ
)
といふ女。それは綺麗だといふことだが、三味線堀に
圍
(
かこ
)
つて三日に一日は家をあけるといふことだ。
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一方
(
いつぱう
)
が
廣庭
(
ひろには
)
を
圍
(
かこ
)
んだ
黒板塀
(
くろいたべい
)
で、
向側
(
むかうがは
)
が
平家
(
ひらや
)
の
押潰
(
おしつぶ
)
れても、
一二尺
(
いちにしやく
)
の
距離
(
きより
)
はあらう、
其
(
そ
)
の
黒塀
(
くろべい
)
に
眞俯向
(
まうつむ
)
けに
取
(
と
)
り
縋
(
すが
)
つた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そのほか
南滿洲
(
みなみまんしゆう
)
の
各地
(
かくち
)
には、
小
(
ちひ
)
さな
煉瓦造
(
れんがづく
)
りの
墓
(
はか
)
や
石棺
(
せきかん
)
がありますが、ことに
珍
(
めづら
)
しいのは、
貝殼
(
かひがら
)
でもつて
四角
(
しかく
)
に
取
(
と
)
り
圍
(
かこ
)
み、その
中
(
なか
)
に
死體
(
したい
)
を
收
(
をさ
)
めた
墓
(
はか
)
であります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
依然
(
いぜん
)
として
俛首
(
うなだ
)
れた
儘
(
まゝ
)
遂
(
つひ
)
に
隣
(
となり
)
の
主人
(
しゆじん
)
の
門
(
もん
)
を
潜
(
くゞ
)
つた。
燒趾
(
やけあと
)
は
礎
(
いしずゑ
)
を
止
(
とゞ
)
めて
清潔
(
きれい
)
に
掻
(
か
)
き
拂
(
はら
)
はれてあつた。
中央
(
ちうあう
)
の
大
(
おほ
)
きかつた
建物
(
たてもの
)
を
失
(
うしな
)
つて
庭
(
には
)
は
喬木
(
けうぼく
)
に
圍
(
かこ
)
まれて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
虹彩
(
こうさい
)
の内に優しい光りをたゝへてゐる茶色の目と、それを
圍
(
かこ
)
んでゐる長いまつ毛が描いたやうに揃つてゐることが、彼女の大きな
額
(
ひたひ
)
の白さを殊更きは立たせてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
葡萄黒むころ、たゞ一
束
(
たば
)
の
茨
(
いばら
)
をもて、
村人
(
むらびと
)
の
圍
(
かこ
)
ふ
孔
(
あな
)
といふとも、かの
群
(
むれ
)
我等をはなれし後 一九—
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
申懸るのみか己が見世の百圓[は#「百圓は」はママ]密かに我が
圍
(
かこ
)
ひ女の方へこかせし
奸曲
(
かんきよく
)
に逢ひ文右衞門は終に身の
難儀
(
なんぎ
)
となるは其人にして
此過失
(
このあやまち
)
あるは時の不幸と云べき而已
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
突當
(
つきあた
)
りの
芥溜
(
ごみため
)
わきに九
尺
(
しやく
)
二
間
(
けん
)
の
上
(
あが
)
り
框
(
がまち
)
朽
(
く
)
ちて、
雨戸
(
あまど
)
はいつも
不用心
(
ぶようじん
)
のたてつけ、
流石
(
さすが
)
に一
方
(
ぱう
)
口
(
ぐち
)
にはあらで
山
(
やま
)
の
手
(
て
)
の
仕合
(
しやわせ
)
は三
尺
(
じやく
)
斗
(
ばかり
)
の
椽
(
ゑん
)
の
先
(
さき
)
に
草
(
くさ
)
ぼう/\の
空地面
(
あきぢめん
)
、それが
端
(
はじ
)
を
少
(
すこ
)
し
圍
(
かこ
)
つて
青紫蘇
(
あをぢそ
)
、ゑぞ
菊
(
ぎく
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
そ
)
の
一
(
ひとつ
)
の、
和蘭館
(
オランダくわん
)
の
貴公子
(
きこうし
)
と、
其
(
そ
)
の
父親
(
ちゝおや
)
の
二人
(
ふたり
)
が
客
(
きやく
)
で。
卓子
(
テエブル
)
の
青
(
あを
)
い
鉢
(
はち
)
、
青
(
あを
)
い
皿
(
さら
)
を
圍
(
かこ
)
んで
向合
(
むきあ
)
つた、
唐人
(
たうじん
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
が
二人
(
ふたり
)
。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
圍
部首:⼞
12画
“圍”を含む語句
周圍
範圍
圍繞
四圍
板圍
其周圍
圍爐裏
取圍
雰圍氣
重圍
包圍攻撃
筵圍
三圍樣
圍爐裡
三圍
範圍内
圍碁
煖爐圍
零圍氣
一周圍
...