『松翠深く蒼浪遥けき逗子より（しょうすいふかくせいろうはるけきずしより）』

櫻山に夏鶯音を入れつゝ、岩殿寺の青葉に目白鳴く。なつかしや御堂の松翠愈々深く、鳴鶴ヶ崎の浪蒼くして、新宿の濱、羅の雪を敷く。そよ／＼と風の渡る處、日盛りも蛙の聲高らかなり。夕涼みには脚の赤き蟹も出で、目の光る鮹も顯る。撫子はまだ早し。山百合 …

著者	泉鏡花
ジャンル	文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
ジャンル	文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行
文字種別	旧字旧仮名
読書目安時間	約1分（500文字/分）
朗読目安時間	約2分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

味（あぢ） 出（い） 蛙（かはづ） 御堂（みだう） 尚（なほ） 夕涼（ゆふすゞ） 少（すくな） 留（と） 中學（ちうがく） 蒼（あを） 最（もつと） 日盛（ひざか） 新宿（しんじゆく） 數（かぞ） 小鰺（こあぢ） 野郎（やらう） 鳴鶴（なきつる） 露（つゆ） 南瓜（かぼちや） 光（ひか） 可（よ） 顯（あらは） 聲（こゑ） 羅（うすもの） 脚（あし） 空（そら） 鳴（な） 花（はな） 鮹（たこ） 知（し） 目白（めじろ） 蘆垣（あしがき） 香（か） 蘆間（あしま） 魚（さかな） 高（たか） 處（ところ） 螢（ほたる） 蟹（かに） 風（かぜ） 赤（あか） 此處（こゝ） 近頃（ちかごろ） 里（さと） 野（の） 音（ね） 青葉（あをば） 雪（ゆき） 小雨（こさめ） 也（なり） 云（い） 佳（よ） 入（い） 其（その） 別莊（べつさう） 口（くち） 名所（めいしよ） 名物（めいぶつ） 咎（とが） 圍（かこ） 土地（とち） 夏鶯（なつうぐひす） 多（おほ） 嬉（うれ） 目（め） 崎（さき） 思（おも） 拔群（ばつぐん） 撫子（なでしこ） 敷（し） 早（はや） 星（ほし） 松翠（しようすゐ） 櫻山（さくらやま） 池田（いけだ） 浪（なみ） 深（ふか） 渡（わた） 濱（はま） 田越（たごえ）