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窬
稍にのみ
一團の
葉があつて、
幹は
丁度天幕の
柱のやうに、
數百間四方規則正しく
並んで
居る
奇妙な
林の
下を
窬つたりして、
道の
一里半も
歩んだと
思ふ
頃、
一個の
泉の
傍へ
來た。
『
此處です。』と
一言を
殘して、
先づ
鐵門を
窬つた、
私もつゞいて
其中に
入ると、
忽ち
見る、
此處は、
四方數百間の
大洞窟で、
前後左右は
削つた
樣な
巖石に
圍まれ、
上部には
天窓のやうな
私は
二人の
案内に
從つて、
鐵門を
窬つたが、はじめ十
歩ばかりの
間は
身を
屈めて
歩む
程で、
稍や
廣くなつたと
思ふと、
直ぐ
前には、
岩に
刻んで
設けられた
險しい
階段がある、
其階段を
降り
盡すと