船夫かこ)” の例文
かみは御大老井伊直弼様の圧迫、しもは捕吏だの船夫かこなどの迫害、ほんとにご上人様のご一生は、さわりだらけでございました。
犬神娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あなたはブランコが揺れるままに、何時いつかしら、藍色あいいろのキモノに身を包んで藍色の大海原を帆走る一個の船夫かこであった。
少年・春 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
心細くなっている時に、船夫かこたちは荒々しい声で「悲しいものだ、遠くへ来てしまった」という意味のうたを唄う声が聞こえてきて、姉妹きょうだいは向かい合って泣いた。
源氏物語:22 玉鬘 (新字新仮名) / 紫式部(著)
……船夫かこの動き
閒花集 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
船首へさき船尾ともとに船夫かこがいた。纐纈布のどてらを着た、若いたくましい船夫であったが、去年の初秋甚太郎を、纐纈城へさらって行った、その船夫の中の二人であった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
うら若き船夫かこ
短歌集 日まはり (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
あの男は町人の伜だったが、なめした皮のようになめらかだったよ。あの男は若いご家人だったが、足の力が強かったよ。あの男は下等な船夫かこだったが、胸が広くて厚かったよ。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
船尾や船首にとぐろを巻いていた、船夫かこどもは二人を見送ったが
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と口々に云って、船夫かこたちはこうとはしないのです。
犬神娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さあ船夫かこいそいで船を出せ」
犬神娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
船夫かこの姿さえ解らなかった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)