“衣笠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きぬがさ95.0%
いりつ5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
料亭「衣笠きぬがさ」のおりうとの噂が耳にはいり、その意見をしに来たのだろう、そう思ったけれども、益村はなにも云わなかった。
滝口 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
衣笠きぬがさのふきおろしは、小禽ことりの肌には寒すぎた。チチチチチ野に啼く声もおさなく聞えて耳に寒い。人々は、さやの中の刀から腰の冷えて来る心地がした。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
名は需、あざな光亨くわうかう、一の字は終吉しゆうきつ、楓亭の子にして衣笠いりつの兄である。榕亭は前年庚辰に棭斎が何事をか交渉した時、すげない返事をした。しかし今親く訪はれては、厚遇せざることを得なかつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)