“吾子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あこ41.9%
わがこ22.6%
ワコ9.7%
ごし6.5%
わこ6.5%
あご3.2%
わご3.2%
わたし3.2%
アキ3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「かへし遣る使なければ」(巻十五・三六二七)、「この吾子あこ韓国からくにへ遣るいはへ神たち」(巻十九・四二四〇)等の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「ネブ茶を香ばしく入れましたから、持って来ました」とお種は款待顔もてなしがおに言て、吾子わがこと弟の顔を見比べて、「正太や、叔父さんにもいでげとくれ」
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
吾子ワコよ。吾子の爲了シヲフせなんだアラび心で、吾子よりももつと、わるい猛び心を持つた者の、大和に來向ふのを、待ち押へ、へ防いで居ろ、と仰せられた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
かつテ山東洋ニ問フテ曰ク、我、君ニつかフルコト三年、技進マズ、其ノ故如何。洋子のたまはク、吾子ごしすべからク多ク古書ヲ読ミ、古人ト言語シテ以テ胸間ノ汚穢おえヲ蕩除スベシ。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
吾子わこよ。吾子の為了しをふなんだあらび心で、吾子よりももつと深い猛び心を持つた者の、大和に来向ふのを、待ち押へ、塞へ防いで居ろと仰せられた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
いはへる』は此處では、萬葉集卷十九の、『大船に眞楫まかぢしじ貫きこの吾子あごを韓國へ遣るいはかみたち』の例と同じく、『齋ひまもりて平安たひらかにあらしめ給へ神だちよ』(古義)といふ意味である。
愛国歌小観 (旧字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
ふと海の吾子わごをおもひて
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
斷りしはいとわらふ可き事なりと世間の人の口の端にかゝりし時は我身と父母のはぢのみならず小西屋の暖簾のれんきずの附ことならずや故に縁談破談はだんの事は吾子わたしは決して承引うけひき難し然れども其實病あつて父母がお光を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
之にイザ吾君と訳を加えたのは誤りであって、主君が臣下に対して如何に親愛の情をあらわす為とはいえ、吾君ということはない筈であるから、これは吾子アキでなければならない。
マル及ムレについて (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)