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嘆
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かこ
ふりがな文庫
“
嘆
(
かこ
)” の例文
かの小窮窟な西洋の礼拝堂に貴族富豪のみ車を
駆
(
は
)
せて説教を聞くに、無数の貧人は道側に黒
麪包
(
パン
)
を咬んで身の不運を
嘆
(
かこ
)
つと
霄壌
(
しょうじょう
)
なり。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
十九にして恋人を棄てにし宮は、
昨日
(
きのふ
)
を夢み、今日を
嘆
(
かこ
)
ちつつ、
過
(
すぐ
)
せば過さるる月日を
累
(
かさ
)
ねて、ここに
二十
(
はたち
)
あまり
五
(
いつつ
)
の春を迎へぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
何でも才
拙
(
つた
)
なく学浅くして
貌
(
かたち
)
さへ醜くき男が万づに勝れて賢き美はしき乙女に
焦
(
こが
)
れて
迚
(
とて
)
も協はざる恋路にやつるゝ憐れさを
嘆
(
かこ
)
つたものださうな。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
「若い者の心理状態は、何が何やら訳が分らん」——わたしは足元の暗くなつて行く線路の枕木を、足の感覚に頼つて茫然踏んで行きながら
嘆
(
かこ
)
つたものだ。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
老舗の
估券
(
こけん
)
をおとすまいとしているが、梅園の汁粉に砂糖の味のむきだしになったを驚き、言問団子に小豆の裏漉しの不充分を
嘆
(
かこ
)
つようになっては、駒形の桃太郎団子
残されたる江戸
(新字新仮名)
/
柴田流星
(著)
▼ もっと見る
見するも
過世
(
すぐせ
)
の
因縁
(
いんえん
)
成
(
なる
)
か不便の者をと
嘆
(
かこ
)
ちしが我から心を鬼になし
道途
(
だうと
)
に迷ふ親の身を
助
(
たす
)
かる
手便
(
てだて
)
は此
乳子
(
ちご
)
を捨るより外に思案なしと我が子の
寢顏
(
ねがほ
)
を打
詠
(
なが
)
め涙ながらに心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
兵の
家
(
いへ
)
事
(
こと
)
に
嘆
(
かこ
)
たず貧しくも国を
頼
(
たの
)
めて
養
(
か
)
ふ
蚕
(
こ
)
あげにき
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
しかもそれらに対して高価な支払をなしたを
嘆
(
かこ
)
つこと、吾儕の
屡次
(
しばしば
)
耳にするところで、旁徒なる懼れに遠かれる都にも、夏にかかる逸楽のあるをお知らせしておきたい。
残されたる江戸
(新字新仮名)
/
柴田流星
(著)
されば「
都伝摸
(
とても
)
年増
東
(
と
)
夷辺伐
(
いえば
)
広
夷
(
い
)
様」その
広夷
(
ひろい
)
野
(
の
)
に飽き果て
散播都天門
(
さわっても
)
呉弩
(
くれぬ
)
と
嘆
(
かこ
)
ちて自害した。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
然れども、痛苦の
劇
(
はげし
)
く、懐旧の恨に
堪
(
た
)
へざる折々、彼は熱き涙を握りて祈るが如く
嘆
(
かこ
)
ちぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
象馬
(
ぞうめ
)
車乗の
喧
(
かしま
)
しさに心いよいよ乱れて修行を得ず。地体城中の人民この大仙もし一度でも地を歩まば我ら近く寄りてその足を礼すべきに、毎度飛び来り飛び去るのみで志を遂げぬと
嘆
(
かこ
)
ちいた。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
久しい間背中合せの逢いたくても逢われずにいたことを
嘆
(
かこ
)
って、今の邂逅を喜びかわすその時、山門の仁王両個夜まわりに出でて初めてそれあるを知り、爾来今の如く金網の中にござるという。
残されたる江戸
(新字新仮名)
/
柴田流星
(著)
“嘆”の意味
《動詞》
なげく。ひどく悲しく思う。
なげく。ひどく憤る。
感心する。感嘆する。
(出典:Wiktionary)
嘆
常用漢字
中学
部首:⼝
13画
“嘆”を含む語句
嗟嘆
驚嘆
悲嘆
嘆息
嘆願
愁嘆場
愁嘆
可嘆
三嘆
感嘆
讃嘆
嘆声
咏嘆
詠嘆
慨嘆
浩嘆
嘆賞
嘆美
長嘆
嘆服
...