“麪包”の読み方と例文
読み方割合
パン100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かの小窮窟な西洋の礼拝堂に貴族富豪のみ車をせて説教を聞くに、無数の貧人は道側に黒麪包パンを咬んで身の不運をかこつと霄壌しょうじょうなり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
午のころ僧は莱菔あほね麪包パン、葡萄酒を取り來りて我に飮啖いんたんせしめ、さてかたちを正していふやう。便びんなき童よ。母だに世にあらば、このわかれはあるまじきを。
その頃まで電気を点けることも忘れ珈琲コオヒイの一杯、麪包パンの一片を取ることすらも忘れ、閉め切った部屋の蒸し暑さも忘れて、私は凝乎じっと机にもたれていた。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)