“パン”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:ぱん
語句割合
麺麭65.2%
麪包11.3%
麺包7.8%
麪麭4.3%
1.7%
牧羊神1.7%
半獣神0.9%
0.9%
回転0.9%
0.9%
(他:5)4.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
後の言葉は麺麭パンを主の肉にえ葡萄酒を主の血に代えるという宗教上の儀式の言葉から意味だけを借りて来たのであった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
高柳君はだまっている。過去をかえりみれば罪である。未来を望めば病気である。現在は麺麭パンのためにする写字である。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
唯一のエフ・ゴルドン・ロー氏の教示に、猴酒は一向聞かぬが英語で猴の麪包パン(モンキース・ブレッド)というのがある。
午のころ僧は莱菔あほね麪包パン、葡萄酒を取り來りて我に飮啖いんたんせしめ、さてかたちを正していふやう。
しかし人が麺包パンを遣ろうと思って、手を動かすと、その麺包が石ででもあるかのように、犬の姿は直ぐ見えなくなる。
食事は朝、麺包パン、スープ等。ひるかゆ、さしみ、鶏卵等。晩、飯二碗、さしみ、スープ等。間食、葛湯くずゆ、菓子麺包等。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
また、正午まひるの野良で、一株の木のまわりに集って弁当をつかっている百姓の一団を見かけると、一片ひときれ麪麭パンをねだった。
親ごころ (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
上なるものは下なるものゝなううなじとあひあふところに齒をくだし、さながら饑ゑたる人の麪麭パンを貪り食ふに似たりき 一二七—一二九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「これは、パンアメリカン航空のスチュワーデスが持って帰った『シアトル日報』ですが、こんな記事を見ると、やはり不安になって……」
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ヨーロッパ諸国はヨーロッパ諸国だけのヨーロッパ連合をつくって、政治経済の問題を処理し、文化も守るべきであるというのがクーデンホフ・カレルギー伯のパンヨーロッパ主義だった。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
牧羊神パンの血潮とまざめぐつた、かの頃を私は追惜します。
その時、紙屑入れとして場内に牧羊神パンの山羊の頭のついた紙屑入れをつくり、市の公園課が気に入って、ずっと最近までそれが鉄に白エナメルをかけて置かれていましたが、金だから献納になり、今は一匹も居ないそうです。
そうして一心に吾輩の姿を見上げている半裸の若い女たちの姿を見まわすと吾輩は、森の妖精ニンフに囲まれた半獣神パンみたような気持になった。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
音が聞こえてから、目でその音源を追究する代わりに、カメラをパンしてそれを追究する。
耳と目 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
あるいは突然銃声が聞こえて窓ガラスに穴をあける、そこでカメラが回転パンして行って茂みに隠れた悪漢に到着するといったような、いわゆる非同時的アシンクロナスな音響配偶によっていろいろの効果が収め得らるるのである。
映画芸術 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
但し、国際的性格のこの都市は、他国人に対しては慇懃であっても、同国人同士の間では、殊にパン関係の間では、一種の繩張りとか仁義とかが多少とも存在している。
秦の出発 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
コン吉とタヌはねんごろに念仏を唱え、沸然たる非常時の広場から離れ、川岸かし椅子パンに坐って、しばらくは言葉もなく差し控えていると、その前を、氷斧アックスをかかえた三人連れの登山者が、談笑しながら登山鉄道の乗り場の方へ歩いて行った。
フォセト博士の研究室だという建物の横の枯芝生で、栗鼠りすがのどかに遊んでいた。C大学は市中にあったが、構内のところどころに広い芝生や並木道などがあり、牧神パンの鋳像のついた噴水なども見られた。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
麪麺パンを買ひ紅薔薇べにばらの花もらひたり爽やかなるかも両手りやうてに持てば
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
昼飯には、丸焼の鶏一羽、野菜の煮合せ、白いパンスープ、それにしかも葡萄ぶどうの酒。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
子供によっては親元にいた時は、欠食児童であり、それが小松川とか四ツ木、砂村あたりの場末だと、弁当のない子には、学校で麺麦パンにバタもつけて当てがってくれるのであったが、この界隈かいわいの町中の学校ではそういう配慮もなされていないとみえて
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)