麪麭パン)” の例文
上なるものは下なるものゝなううなじとあひあふところに齒をくだし、さながら饑ゑたる人の麪麭パンを貪り食ふに似たりき 一二七—一二九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
その節蛇王の前に供うる天の山羊乳を盛った皿に麪麭パン一片を浸し、逃げ出す先に自分は口に入れ得たら、夜中の秘密を知り得ると教えた。
まして軍隊の精神は麪麭パンくやうに急造し得るものでは無い。陸海軍の精鋭は我が邦の大幸福であるが、之を愛惜するの工夫を缺いたならば寒心すべきものがある。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
旅人の姿をみると、悲しそうな顔をして、情けない声をしぼって哀れを訴えた。また、正午まひるの野良で、一株の木のまわりに集って弁当をつかっている百姓の一団を見かけると、一片ひときれ麪麭パンをねだった。
親ごころ (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
さて曉に目をさましし時我はともにゐしわが兒等の夢の中に泣きまた麪麭パンを乞ふ聲をきゝぬ 三七—三九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
分らぬなりに予が甘麪麭スイートブレットとある物を注文し、いよいよ持ち来た皿を見ると、麪麭パンらしく見えず、蒲鉾かまぼこ様に円く豆腐ごとく白浄な柔らかなもの故、これは麪麭でないと叱ると
そのたけ三丈ほど、太さ大樽のごとく、大きな奴は周り三尺ばかり、頭に近く二前脚あり、後足は鷹また獅子の爪ごとき爪でこれを表わすのみ、頭すこぶる大きく眼は巨なる麪麭パンより大きく
若者蛇王の前の乳皿に麪麭パンを浸し、速やかに口に含んでけ出した。
麪麭パンで馬を飼った数例を挙ぐ。