トップ
>
麪包
>
パン
ふりがな文庫
“
麪包
(
パン
)” の例文
かの小窮窟な西洋の礼拝堂に貴族富豪のみ車を
駆
(
は
)
せて説教を聞くに、無数の貧人は道側に黒
麪包
(
パン
)
を咬んで身の不運を
嘆
(
かこ
)
つと
霄壌
(
しょうじょう
)
なり。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
午のころ僧は
莱菔
(
あほね
)
、
麪包
(
パン
)
、葡萄酒を取り來りて我に
飮啖
(
いんたん
)
せしめ、さて
容
(
かたち
)
を正していふやう。
便
(
びん
)
なき童よ。母だに世にあらば、この
別
(
わかれ
)
はあるまじきを。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その頃まで電気を点けることも忘れ
珈琲
(
コオヒイ
)
の一杯、
麪包
(
パン
)
の一片を取ることすらも忘れ、閉め切った部屋の蒸し暑さも忘れて、私は
凝乎
(
じっ
)
と机に
凭
(
もた
)
れていた。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
言語で言えば、丁度熱心に、大声で、息をはずませて、人が千人も前に立っていて、その詞を飢えたものが
麪包
(
パン
)
を求めるように求めている
積
(
つもり
)
で、語り出すような工合に。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
大宮で休んだような、人のいない
葭簀張
(
よしずば
)
りではない。茶を飲んで、まずい菓子
麪包
(
パン
)
か何か食っている。季節は好く分からないが、目に映ずるものは暖い調子の色に飽いている。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
食うと恐しくねばり気があって、不出来な、重くるしい
麪包
(
パン
)
を思わせるが、薄く切ったのを火であぶり、焦した、或は褐色にした豆の粉〔きなこ?〕と、小量の砂糖とをふりかけて食うとうまい。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
丁度饑饉の年に
麪包
(
パン
)
屋の戸口に来るように、55
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
ややありて
麪包
(
パン
)
の
破片
(
かけら
)
を手にも取り
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
真暗な奥の
薄敷
(
アンペラ
)
と
麪包
(
パン
)
屑の間から
上海された男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
唯一のエフ・ゴルドン・ロー氏の教示に、猴酒は一向聞かぬが英語で猴の
麪包
(
パン
)
(モンキース・ブレッド)というのがある。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
夫人我等を顧みて、見給へ、此野はさながらに饗應のむしろなり、
麪包
(
パン
)
あり、葡萄酒あり、
果
(
このみ
)
あり、最早わが樂しき
市
(
まち
)
と美しき海との見ゆるに程あらじといひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
麪包
(
パン
)
を割きながら眼を走らせた新聞には、まだただの一行も
昨夜
(
ゆうべ
)
の事件は載っていなかった。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「直ぐに人が真似をいたしはしませんでしょうか。戦争の跡に出来たロシア
麪包
(
パン
)
のように」
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そこで生き残った人間が相談して、
麪包
(
パン
)
果を極めて熱しその種子を犬の通路に
撒
(
ま
)
いた。犬これを踏んで足を焼き、倒れて手をも焦し、それより立って歩む事
叶
(
かな
)
わず。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
乞兒
(
かたゐ
)
は人に小銅貨をねだり、
麪包
(
パン
)
をば買はで氷水を飮めり。二つに割りたる大西瓜の肉赤く
核
(
さね
)
黒きは、いづれの店にもありき。これをおもへば
唾
(
つ
)
湧
(
わ
)
きて堪へがたし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ミケル尊者は
麪包
(
パン
)
屋、アフル女尊者は女郎屋、ジュスト尊者は料理屋、ジャングール尊者は悪縁の夫婦を
冥加
(
みょうが
)
し、ガウダンス尊者は蠍を除き、ラボニ尊者は妻を
虐
(
しいた
)
ぐる夫を殺し
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
室に入り来てまず
四周
(
ぐるり
)
と人々を見廻し
地板
(
ゆかいた
)
に坐り両掌を地板に
較
(
の
)
せ、また諸方に伸ばして紙や
麪包
(
パン
)
の
小片
(
かけ
)
を拾い嗅ぐ事猴のごとし、この児
痩形
(
やせがた
)
にて十五歳ばかりこの院に九年
棲
(
す
)
めり
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
その時貴人ゴタルズスの犬日々主家の
麪包
(
パン
)
を
啣
(
くわ
)
え来ってこれを養い、またその患所を
舐
(
ねぶ
)
り慰めた。主人怪しんで犬の跡を付け行きこの事を見て感心し、種々力を尽してついに尊者を元の身に直した。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
麪
漢検準1級
部首:⿆
15画
包
常用漢字
小4
部首:⼓
5画
“麪”で始まる語句
麪麭
麪
麪桶
麪条
麪麺
麪粉類