“悒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いぶせ42.9%
いぶ28.6%
うっ14.3%
わび14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼はその夫とともに在るをはんやう無きわづらひなれど、又そのひとりを守りてこの家におかるるをもへ難くいぶせきものに思へるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
雨はいよいよしげく、いぶせさは二人にとって何か突然な出来事の期待をかけるほど、陰鬱いんうつち入らせた。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
が、もう治療にかかっているのだから、それを歇めるわけに行かなかったが、隔日に俥が門の前へ梶をおろし、赤児を抱いた女の姿をみると、うっとしい気がした。
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
一体、こんな寒々とした少しの温かみのない曇り日の景色というものには、どうしても隠しきれぬほどわびしい感じにとらえられるものであった。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)