“佗(わびし)” の例文
果して人の入来(いりき)て、夕餉(ゆふげ)の設(まうけ)すとて少時(しばし)紛(まぎら)されし後、二人は謂(い)ふべからざる佗(わびし)き無言の中に相対(あひたい)するのみなりしを、荒尾は始て高く咳(しはぶ)きつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼は悔いたり、我より容さば容さるべきを、さは容さずして堅く隔つる思も、又怪(あやし)きまでに貫一は佗(わびし)くて、その釈(と)き難き怨(うらみ)に加ふるに、或種の哀(あはれ)に似たる者有るを感ずるなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)