“いそべ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
磯部50.0%
磯辺37.5%
磯方6.3%
磯邊6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼には義雄の家で用向のために待受ける約束の人があり、保養らしい保養もしないでいるあの兄を誘って磯部いそべあたりまで行って見たいという心があった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
金剛の道をきくばかりにほど遠い磯辺いそべの家をも捨てて来たのだと思いながら、知恵のよろこびにもえ立ってひた上りに上って来たのでございます。
道成寺(一幕劇) (新字新仮名) / 郡虎彦(著)
島の磯方いそべに行き倒れた在りのまゝなる吾身の夢に髣髴とするのは、人もなく、運命もなく、意外にも、さながら春の酒に酩酊して、胡蝶の影がちらちらとする態の、わけもない孤独のうつゝに過ぎず
半島の果にて (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
三保みほの入江にけぶり立ち、有渡うどの山かげおぼろにして見えわかず、袖師そでし、清水の長汀ちやうてい夢の如くかすみたり。世にもうるはしきけしきかな。われは磯邊いそべの石に打ちよりてこしかた遠く思ひかへしぬ。
清見寺の鐘声 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)