“長汀”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちょうてい57.1%
ちやうてい42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
潮のけぶる長汀ちょうていに、まだ明るい残照の陽かげが、ところどころ、夕霞を破ってはおりますが、次郎の視線のとどくかぎり、月江様らしい人影は見当りません。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いわゆる長汀ちょうてい曲浦きょくほの風光のごときも、おいおいに改まらざるをえなかったのである。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
げにや榮華は夢かまぼろしか、高厦かうか十年にして立てども一朝の煙にだも堪へず、朝夕玉趾ぎよくし珠冠しゆくわん容儀ようぎたゞし、參仕さんし拜趨はいすうの人にかしづかれし人、今は長汀ちやうていの波にたゞよひ、旅泊りよはくの月に跉跰さすらひて
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
あしのちかづくと、またこの長汀ちやうていかぜさわやかに吹通ふきとほして、人影ひとかげのないものしづかさ。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)