“河内”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かわち68.8%
かはち12.5%
ハノイ5.0%
かだい3.8%
かふち2.5%
こうち2.5%
かうち1.3%
かわうち1.3%
カハチ1.3%
カフチ1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いにしえの国主の貴婦人、簾中れんちゅうのようにたたえられたのが名にしおう中の河内かわち山裾やますそなる虎杖いたどりの里に、寂しく山家住居やまがずまいをしているのですから。
雪霊記事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これはけぬ河内かはちへ越さうとして、身も心も疲れ果て、最早もはや一歩も進むことの出来なくなつた平八郎父子ふしと瀬田、渡辺とである。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
学名をガルシニア・マンゴスタナと云ふ果樹に生ずる。私が、初めてマンゴスチーンを見たのは、河内ハノイの町、プラチックに近い果物店であつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
滎陽けいようの山地で、曹操の軍は、敵のため殲滅的な敗北をとげ、曹操はわずかな旗下に守られて河内かだいへ落ちて行った——」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
河内かふち」は、河からめぐらされている土地をいう。既に人麿の歌に、「たぎつ河内かふち船出ふなでするかも」(巻一・三九)がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
高知 これは従来の説では、河内こうちすなわちデルタだそうである。坪井博士の説ではチャム語で島である。しかしアイヌだと「コッチ」「コーチ」宅地となる。
土佐の地名 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
大谷おほたに河内かうちなどいふ山村を、西岸に見たが、未だ人の町へは遠い、川水は肩で呼吸をするやうに、ゴホゴホと咳きあげて、大泊門おほせと急灘きふたんにかゝる、峡谷は一層に狭くなり、波の山が紫陽花のやうに
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
湯は菖蒲の湯で、伝説にいう、源三位頼政げんざんみよりまさの室菖蒲あやめまえ豆州長岡ずしゅうながおかに生まれたので、頼政滅亡の後、かれは故郷に帰って河内かわうち村の禅長寺に身をよせていた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
これで大和ヤマトも、河内カハチとの境ぢやで、もう魂ごひのギヤウもすんだ。今時分は、郎女さまのからだは、イホリの中で魂をとり返して、ぴち/\して居られようぞ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
目の下の河内カフチの底に 深々と、夕瀬は白く 見えまさるなり
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)