“こうち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
狡智33.7%
巧緻26.1%
高知9.8%
高地7.6%
狡知3.3%
耕地3.3%
荒地3.3%
交趾2.2%
弘智2.2%
河内2.2%
交馳1.1%
好地1.1%
拘置1.1%
猾智1.1%
高直1.1%
鯸鮐1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そもそもどこからあれだけの狡智こうちを得てきたのか、彼はわれながら合点がいかなかった……とすぐに、戸締まりの栓を抜く音が聞こえた。
為山氏の画は巧緻こうち精微せいび、不折君の画は雅樸がぼく雄健ゆうけん。為山氏は熟慮して後に始めて筆を下し不折君はいきなりに筆を下して縦横に画きまはす。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
今日は高知こうちから、何とかおどりをしに、わざわざここまで多人数たにんず乗り込んで来ているのだから、是非見物しろ、めったに見られないおどりだというんだ
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
笛がとぎれた時の、シーンとした静寂しじま冷気れいきとは、まるで深海のそこのようだ。けれど、事実じじつはおそろしい高地こうちなのだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼等は狡知こうち猾才かっさいにとめる邪悪霊を首領と仰ぎ、百方手を尽して、われ等の聖業を阻害せんとしつつあるので、その悪戯は極めて巧妙、その行動ははなはだ敏活、巧みにわれ等の事業を摸倣し
家の前面は広い耕地こうちだ。耕地全体をとりまくようにして、家の裏から左手へ、それからずっと前方までゆるやかな傾斜面が盛り上っているが、そこらじゅうのはんの木の若葉は何という美しい奴だろう。
石ころ路 (新字新仮名) / 田畑修一郎(著)
「わしはまた、明日あすから、次の新しい荒地こうちを耕やそう。仏の御光みひかりのとどかぬ所を、またその法悦を知らぬ衆生を導くのが、この愚禿ぐとくにふさわしいお勤めでもある」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……すでに安土の城を築く職人どもの技術にさえ、南蛮なんばん美術や支那交趾こうちなどのあらゆる手法が取り入れられていることを何とるか。あわれ彼も地方的な一英雄に過ぎぬとみえる。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
百樹もゝき曰、唐土もろこしにも弘智こうちたる事あり。唐の世の僧義存ぎそんぼつしてのちしかばね函中はこのなかおき、毎月其でしこれをいだし爪髪つめかみのびたるを剪薙はさみきるをつねとす。
河内こうち」は天竜川の支流和田川の奥を八重河内というし、金森長近が天正十六年に拓いた飛騨高原川沿道を河内路と唱えているから、この地に最もふさわしい名と考える。
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
とお丹の下知げじに、おおかみころもまとい、きつねくらい、たぬきは飲み、ふくろう謡えば、烏は躍り、百足むかでくちなわ、畳を這い、いたち鼯鼠むささび廊下を走り、縦横交馳こうち、乱暴狼藉ろうぜき、あわれ六六館の楼上は魑魅魍魎ちみもうりょう横奪おうだつされて
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
十七日、朝早く起き出でたるに足いたみて立つことかなわず、心を決して車に乗じてせたり。郡山こおりやま好地こうち、花巻、黒沢尻くろさわじり、金が崎、水沢、前沢をてようやく一ノ関に着す。この日行程二十四里なり。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
南朝がたの望みも画餅がべいに帰して、賀名生はまた元のみじめな山中宮廷に返ってしまったが、より悲惨なのは、ここに拘置こうちされた北朝の三上皇と皇子らで、それは
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は政府党と政府反対党と中立党とに論なく、すべて党人と称する人々の大多数は、廉恥も識見もない野人でなければ私欲と猾智こうちとに富んだ政商の徒であると思っている。
鏡心灯語 抄 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
いわんや武備なるものはこれを驕奢品として考うればもっとも不廉高直こうちなる代物なるにおいてをや。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
あんずるに、さけ鮮鱗とりたてはことさらに魚臭なまぐさきものゆゑにやあらん。けい鯸鮐こうちの一名ともいへばさけにはいよ/\とほし。とまれかくまれせいの字を知りて俗用ぞくようにはけいの字を用ふべし。