“たくみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タクミ
語句割合
56.4%
工匠10.9%
9.1%
内匠4.4%
2.2%
藝術1.8%
巧妙1.8%
1.8%
謀計1.8%
0.7%
名匠0.7%
巧緻0.7%
計略0.7%
姦計0.4%
計策0.4%
企圖0.4%
匠工0.4%
善巧0.4%
大匠0.4%
工人0.4%
巧手0.4%
巧計0.4%
悪計0.4%
技巧家0.4%
技術0.4%
木匠0.4%
芸術0.4%
計較0.4%
詭計0.4%
謀略0.4%
謀策0.4%
陰謀0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その他、鮨の材料を採ったあとのかつお中落なかおちだの、あわびはらわただの、たいの白子だのをたくみに調理したものが、ときどき常連にだけ突出された。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
法城は呪詛じゅその炎に焼かれざるはなく、百姓、商人、工匠たくみたちの凡下ぼんげは、住むべき家にもまどい、飢寒きかんに泣く。——まず、そうした世の中じゃ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
飛騨のたくみとして木材の扱いに慣れた山間の飛騨人は、弘仁の頃までなお「言語容貌既に他国に異なり」と言われておった。
「私は加世かよと申します。肥前島原の高力左近太夫かうりきさこんだいふ樣御家中、志賀玄蕃げんば、同苗内匠たくみの母でございます。これは次男内匠の嫁、關と申します」
お村の清元を聴かせたいから、もう少しと云うので、又お村を引上げられ、又二晩置いて行くと、もう向うの様子が違って、たくみわなに掛りました。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
學問や藝術たくみ叡智ちゑ戀愛情こひなさけこの美しきもの亡びむあはれ
和歌でない歌 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
武村兵曹たけむらへいそういまわたくしおなじやうに、この軍艦ぐんかん賓客ひんきやくではあるが、かれ軍艦ふねいへとする水兵すいへい——水兵すいへいうちにも氣象きしやうすぐれ、こと砲術ほうじゆつ航海術かうかいじゆつには際立きはだつて巧妙たくみをとこなので
その御堂みどうも只今は焼けてございませんが、何しろ国々の良材を御集めになった上に、高名こうみょうたくみたちばかり御召しになって、莫大ばくだい黄金こがねも御かまいなく、御造りになったものでございますから
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
もし僕の推定が誤らなければ、犯人たちの口を噤んで居る理由もわかるし、そこに鬼頭否園田の前科者としての謀計たくみが働いて居るようにも思われる……
呪われの家 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
定め此婚姻こんいんさまたげんとたくみ奸計かんけいに當りつひにお光が汚名をめいかうむ赤繩せきじようたえたる所より白刄しらはふるつてかん白洲しらす砂石しやせきつかむてふいと爽快さうくわいなる物語はまたくわいを次ぎ章を改め漸次々々に説分くべし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
飛騨ひだ名匠たくみ浮彫うきぼり
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
椽木たるき割賦わりふり九輪請花露盤宝珠くりんうけばなろばんはうじゆの体裁まで何所に可厭いやなるところもなく、水際立つたる細工ぶり、此が彼不器用らしき男の手にて出来たるものかと疑はるゝほど巧緻たくみなれば、独りひそかに歎じたまひて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あさこゝろ思召おぼしめすか假令たとひどのやうなことあればとてあだびとなんのその笑顏わらひがほせてならうことかはやまほどのうらみもくるすぢあれば詮方せんかたなし君樣きみさま愛想あいさうつきての計略たくみかとはおことばながらあまりなりおやにつながるゝつみおなじと覺悟かくごながら其名そのなばかりはゆるしたまへよしや父樣とゝさまにどのやうなおにくしみあればとてかはらぬこゝろわたしこそ君樣きみさまつまなるものを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「何も姦計たくみだの、肩を持つの、というわけではない。弁護を引き受ける以上は、その者の罪を軽くするように尽力するのが弁護士の職分だ」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「へえ、そのなんでございますか、旦那だんな、その弁護士というやつは出刃打ちの肩を持って、人殺しの罪を女になすろうという姦計たくみなんでございますか」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お秋の方のお腹の菊之助様をお世嗣よとりに仕ようと申す計策たくみではないかと存ずる、其の際此の密書ふみを中ば引裂ひっさいて逃げましたところの松蔭大藏の下人げにん有助と申す者が
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
目「黙れ、新参の松蔭大藏と其の方兄五郎治兄弟の者は心を合せて、菊之助様をお世嗣よつぎにせんがめに御舎弟様を毒殺いたそうという計策たくみの段々は此の方心得てるぞ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
日毎ひごとにクリストの賣買うりかひせらるゝ處にてこれを思ひめぐらす者これを願ひかつはや企圖たくみぬ、さればまた直ちにこれを行はむ 四九—五一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「事業」といふ匠工たくみは唯一の甚五郎になるなり、「快楽」といふ食卓は最良の哲学者になるなり。ペダントリーといふ巨人は、屋根裡やねうらに突き上るほどの英雄になるなり。
人生に相渉るとは何の謂ぞ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
「摂」とは摂受しょうじゅの意味で、つまり和光同塵どうじん、光をやわらげてちりに同ずること、すなわち一切の人たちをおさめとって、菩薩の大道に入らしめる、善巧たくみな四つの方便てだてが四摂法です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
曲りたる矢にては羿げいも射て中てんこと難かるべく、飛騨の大匠たくみ鰹節小刀かつぶしこがたなのみにては細工に困ずべし。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
又仏の像を造ること既にをはりて、堂に入るることを得ず、諸々もろもろ工人たくみ計ることあたはず、まさに堂の戸をこぼたむとせり。然るに汝、戸をこぼたずして入るることを得つ。此れ皆汝がいさをしなり。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
たくみは何よりそれがよい。それでは、お園の旧夫おつととやらを、お前が巧手たくみに取込んで。お園を
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
きかんとの巧計たくみなるか急に打開けし言葉の調子と為り
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
はい、お妾の腹に出来ました鐵之丞てつのじょうと申します者を世にだそうというお妾の悪計たくみに附きました者もございまして、御本腹の金之丞きんのじょう様を
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
どんな技巧家たくみより、もっともっと熱心に、小さい象牙ぞうげくれに、何やら、細かな図柄を彫り刻んでいた、闇太郎だ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
燐光の技術たくみによりてひらめいで瞬間つかのま
「おもとが、木匠たくみの平次郎か、わしが稲田の親鸞でおざる、よい折に会った、おそろしいことは何もない、いやむしろよろこばしいことすらある」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貴様が、自分の栄耀えいように眼がくらんで、子をかまいつけなんだように、わしは、わし自身の芸術たくみの心にのみしたがって、貴様のことなど、意にもかいせんのじゃ。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
あのやうな良人をつとなに不足ふそくつるぎ刃渡はわたりするやうな危險あぶな計較たくみをするのやら、可愛かあいさうにあのひと仲町なかまちねえさんまでを引合ひきあひにして三方さんばう四方しはううそかためて、此足このあしはまあ何處どこ
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かしこにアキルレのためにいまなほデイダーミアを歎くにいたらしめし詭計たくみをうれへ、またかしこにパルラーディオの罰をうく 六一—六三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
其時急にわしは、僧院長アベセラピオンが悪魔の謀略たくみを話した語を思出した。
クラリモンド (新字旧仮名) / テオフィル・ゴーチェ(著)
其の年の秋までに謀策たくみ仕遂しおおせるのに一番むずかしいものは、浮舟うきふねという老女で年は五十四で、男優おとこまさりの尋常ひとゝおりならんものがいて居ります。此者これを手に入れんければなりません。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
……まん一、このくすり毒藥どくやくであったら? ロミオどのと縁組えんぐみさせておきながら、婚禮こんれいをさすときは、宗門しゅうもんはぢとなるによって、それでわしころさうといふふか陰謀たくみ毒藥どくやくではあるまいものでもない。