“呪詛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じゅそ55.4%
のろい18.2%
のろ12.4%
のろひ5.0%
じゆそ5.0%
まじない2.5%
のろし0.8%
のろは0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは、自分の耳で実際に聞いた人でない限り、想像もつかぬような叫喚であった。祈りの文句もあったし、呪詛じゅその叫びもあった。
これが一種の乱心であるとか、何かの祟り呪詛のろいを受けている人間であるとかいうような事は、どうしても私には考えられなかった。
深見夫人の死 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
呻く者、泣く者、喚く者、縛られたまま転げ廻る者、呪詛のろいの声を上げる者、……部屋の内はそれらの声で、阿鼻あび地獄を呈していた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
抵抗てむかひらずはだかにされて、懷中くわいちうものまで剥取はぎとられたうへ親船おやぶね端舟はしけも、をので、ばら/\にくだかれて、帆綱ほづな帆柱ほばしらはなれたくぎは、可忌いまはし禁厭まじなひ可恐おそろし呪詛のろひように、みんなられてしまつたんです。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
而してヤスナヤ・ポリヤナの老伯が近代文明呪詛じゆその声として、その一端をかの「芸術論」にあらはしたるに至りては、全く賛同の意を呈する能はざるなり。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
卜筮うらない呪詛まじない一切不信仰で、狐狸きつねたぬきが付くと云うようなことは初めから馬鹿にして少しも信じない。小供ながらも精神は誠にカラリとしたものでした。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
玉虫 呪詛のろしのしるしあらわれて、ここにふたつの生贄いけにえをならべた。源氏の運も長からず、一代…二代……。(指折りかぞえて。)おそくも三代の末までには……。かならず根絶やしにして見しょうぞ。
平家蟹 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
はじめから、おどしたものが盲人めくられれば、をんなまでは呪詛のろはれずにんだのでありませう。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)