呪詛のろひ)” の例文
抵抗てむかひらずはだかにされて、懷中くわいちうものまで剥取はぎとられたうへ親船おやぶね端舟はしけも、をので、ばら/\にくだかれて、帆綱ほづな帆柱ほばしらはなれたくぎは、可忌いまはし禁厭まじなひ可恐おそろし呪詛のろひように、みんなられてしまつたんです。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ちぎるるがごとひたわめく、呪詛のろひうゑ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
永久とはにとけせぬ呪詛のろひあれ。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
護摩壇ごまだんむかつて、ひげかみおどろに、はりごと逆立さかだち、あばらぼねしろく、いき黒煙くろけむりなかに、夜叉やしや羅刹らせつんで、逆法ぎやくはふしゆする呪詛のろひそう挙動ふるまいにはべくもない、が、われながらぎんなべで、ものを
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
永久とはにとけせぬ呪詛のろひあれ
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
樣子やうすを、間近まぢかながら、どくのある見向みむけず、呪詛のろひらしきしはぶきもしないで、ずべりとまど仰向あふむいて、やまひかほの、泥濘ぬかるみからげた石臼いしうすほどのおもいのを、ぢつとさゝへて病人びやうにん奇特きどくである。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
五月雨さみだれ茅屋かややしづくして、じと/\と沙汰さたするは、やまうへ古社ふるやしろすぎもり下闇したやみに、な/\黒髮くろかみかげあり。呪詛のろひをんなふ。かたのごと惡少年あくせうねん化鳥けてうねらいぬとなりて、野茨のばらみだれし岨道そばみちえうしてつ。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)