“逆立”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さかだ79.3%
さかだち12.0%
よだ3.3%
さかだて2.2%
さかたつ1.1%
さかだっ1.1%
せきた1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それが、舌を動かすたびに、風に吹かれた草むらの感じで、サーッと波打って逆立さかだつのだ。決して人類の舌ではない。猫属の舌だ。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
今度は自分で逆立さかだちをして写してみたり(可笑しなことには、大苦しみをして逆立で撮った写真も、出来上ってみれば普通の写真だった)
魔像 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
世に無惨むざんなる話しは数々あれど本年七月五日の朝築地あざな海軍原の傍らなる川中に投込なげこみありし死骸ほど無惨なる有様は稀なりかくさえも身の毛逆立よだつ翌六日府下の各新聞紙皆左の如く記したり
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
欺き五十兩の金をばかたり取たくみと云を打聞うちきゝ長庵は兩眼をくわつとむき出し目眦まなじり逆立さかだて形相かたちを改め這は聞にくき今の一言此長庵をかたりなどとは何事ぞや我等は仁術じんじゆつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なし忽まちまなこ血走ちばしりつゝ髮も逆立さかたつ形容ありさまにて斯る證人有上は此趣きを直樣すぐさまに御奉行樣へ駈込かけこんで彼の長庵を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
やっと髪毛がザワザワザワと逆立さかだって、歯の根がガタガタいい初めたような事で……あの時のように恐ろしかった事は全く、生れて初めてで、あの仕事ばっかりは最初からしまいまで
S岬西洋婦人絞殺事件 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
出しくれよと逆立せきたてられ下女はあわて膳拵ぜんごしらへすれば大膳は食事を仕舞ひ用意も底々そこ/\に龜屋をこそは出立せり最前さいぜんの如く江戸の方へはゆか引返ひきかへして足にまかせてまたかみの方へと赴きける主人の徳右衞門は表の戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)