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逆立
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さかだ
ふりがな文庫
“
逆立
(
さかだ
)” の例文
それが、舌を動かすたびに、風に吹かれた草むらの感じで、サーッと波打って
逆立
(
さかだ
)
つのだ。決して人類の舌ではない。猫属の舌だ。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
お梶は、身体中の毛髪が
悉
(
ことごと
)
く
逆立
(
さかだ
)
つような恐ろしさと、身体中の血潮が悉く
湧
(
わ
)
き立つような情熱とで、男の近寄るのを待っていた。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
少年
(
しょうねん
)
は、
綱渡
(
つなわた
)
りをしたり、さおの
上
(
うえ
)
で
逆立
(
さかだ
)
ちをしたり、いろいろの
軽業
(
かるわざ
)
をするようになるまでは、どれほど、つらいめをみたかしれません。
サーカスの少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
湖も立ち
罩
(
こ
)
めた
雲煙
(
うんえん
)
の中に、ややともすると
紛
(
まぎ
)
れそうであった。ただ、稲妻の
閃
(
ひらめ
)
く度に、波の
逆立
(
さかだ
)
った水面が、一瞬間遠くまで見渡された。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
すわとばかりに
正行
(
まさつら
)
、
正朝
(
まさとも
)
、
親房
(
ちかふさ
)
の面々
屹
(
きっ
)
と
御輿
(
みこし
)
を
護
(
まも
)
って賊軍をにらんだ、その目は血走り
憤怒
(
ふんぬ
)
の
歯噛
(
はが
)
み、毛髪ことごとく
逆立
(
さかだ
)
って見える。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
▼ もっと見る
『えい、
殘念
(
ざんねん
)
だ/\、
此樣
(
こん
)
な
時
(
とき
)
、
本艦
(
ほんかん
)
の
水兵
(
すいへい
)
が
羨
(
うらや
)
ましい。』と
叫
(
さけ
)
んだまゝ、
空拳
(
くうけん
)
を
振
(
ふ
)
つて
本艦々頭
(
ほんかんかんとう
)
に
仁王立
(
にわうだち
)
、
轟大尉
(
とゞろきたいゐ
)
は
虎髯
(
こぜん
)
逆立
(
さかだ
)
ち
眦
(
まなじり
)
裂
(
さ
)
けて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それがどうかして時おり移動したくなるとひょいと
逆立
(
さかだ
)
ちをして
麻痺
(
まひ
)
した腰とあと足を空中高くさし上げてそうして前足で自由に歩いて行く。
あひると猿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
すると
間
(
ま
)
もなくそこへ、一
丈
(
じょう
)
にもあまろうという大きな
赤鬼
(
あかおに
)
が、
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
を
逆立
(
さかだ
)
てて、お
皿
(
さら
)
のような目をぎょろぎょろさせながら
出
(
で
)
て
来
(
き
)
ました。
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
森久保氏の芸当といふと、
精々
(
せい/″\
)
逆立
(
さかだ
)
ちか、馬の鼻面を
嘗
(
な
)
める位が、手一杯だらうと思ふ人があるかも知れないが、なかなか
其麽物
(
そんなもの
)
でない——。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
すっかり
逆立
(
さかだ
)
って、半ば砂の上にひろげられた金の翼とを見た時に立てた叫びと悲鳴と来ては、本当に、聞いていて身の毛がよだつほどでした。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
聯合軍に噛まれて天狗犬は尾を捲き、獅子毛を
逆立
(
さかだ
)
てゝ、甲州街道の方に敗走するのを、白の主人は心地よげに
見送
(
みおく
)
った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
犬はやがてしずかに身を起こしたが、なおまっすぐに立ったままで、
総身
(
そうみ
)
の毛を
逆立
(
さかだ
)
たせながら、やはりあらあらしい眼をして私をじっと見つめていた。
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
博士の顔は、赤鬼のようになって輝き、頭髪は一本一本、針山のように
逆立
(
さかだ
)
ち、博士の全身の筋肉は、蛇のむれのようにひくひくと
痙攣
(
けいれん
)
しているのだった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
つまり、器用の奴のやるのは、天上に舞いのぼるが、無器用の糸目をつけた凧は、
逆立
(
さかだ
)
ちをして地上をかける。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
着てるのは腰っきりのぼろ、顔も手足もまっ黒に陽やけして、
垢
(
あか
)
だらけで、髪の毛はぼうぼうと
逆立
(
さかだ
)
ったままだし、もちろんはだしで、繩の帯をしめていた。
おさん
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
……その変り果てた自分の姿を、吸い付けられたような気持で凝視しているうちに、私は何故ともなく髪の毛がザワザワザワザワと
逆立
(
さかだ
)
って来るのを感じた。
冗談に殺す
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
(彼が帽子の
縁
(
へり
)
へ手をかける
度
(
たび
)
ごとに)ピラムが、毛を
逆立
(
さかだ
)
て、
尻尾
(
しっぽ
)
をぴんとさせて、立ち止まるのである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
爪
(
つめ
)
の一枚一枚までが肉に吸い寄せられて、毛という毛が
強直
(
きょうちょく
)
して
逆立
(
さかだ
)
つような薄気味わるさが
総身
(
そうみ
)
に伝わって、思わず声を立てようとしながら、声は出ずに
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
そのとみである。男爵は、ぶるっと悪感を覚えた。髪が
逆立
(
さかだ
)
つとまでは言えないが、けれども、なにか、異様にからだがしびれた。たしかに畏怖の感情である。
花燭
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
と次郎はうしろへよろけて、その足元を踏み直すや否、奮然、獅子の子のように
髪
(
かみ
)
逆立
(
さかだ
)
ててまいりました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
うすら冷たい灰が足の裏にふかりと觸れたとき、おきみは、髮の毛がワーツと
逆立
(
さかだ
)
つやうな思ひがした。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
さすが無学の黒もこのくらいの
理窟
(
りくつ
)
はわかると見えてすこぶる
怒
(
おこ
)
った
容子
(
ようす
)
で背中の毛を
逆立
(
さかだ
)
てている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
玉藻は毒薬を飲んだように身を
顫
(
ふる
)
わせているのであった。彼女の長い髪は幾千匹のくちなわが怒ったように
逆立
(
さかだ
)
って乱れ狂っていた。忠通もおどろいて声をかけた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
喬之助妻園絵と交換にそれを
承諾
(
しょうだく
)
していたが、これを立ち聞きしたのが、造酒の妻とも妾ともつかない
芸妓上
(
げいしゃあが
)
りの市松お六で、思わず
柳眉
(
りゅうび
)
を
逆立
(
さかだ
)
てているところへ
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
通り一丁目の
沢
(
さわ
)
屋三郎兵衛の娘のお琴が、今日と言う日の真昼に、
逆立
(
さかだ
)
ちをして日本橋を渡ると言うので、
高札場
(
こうさつば
)
の前から、蔵屋敷の前へ湧き立つような騒ぎですよ
銭形平次捕物控:376 橋の上の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その看板のうしろから、さっきからのいい音が起っていたのだ。看板の中には、さっきキスを投げた子が、二
疋
(
ひき
)
の馬に片っ方ずつ手をついて、
逆立
(
さかだ
)
ちしてる
処
(
ところ
)
もある。
黄いろのトマト
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
今度
(
こんど
)
は
鼠
(
ねずみ
)
が
全身
(
ぜんしん
)
の
毛
(
け
)
を
逆立
(
さかだ
)
つて
居
(
ゐ
)
たので、
愛
(
あい
)
ちやんは
屹度
(
きつと
)
鼠
(
ねずみ
)
が
甚
(
ひど
)
く
怒
(
おこ
)
つたに
違
(
ちが
)
ひないと
思
(
おも
)
ひました。『そんなにお
前
(
まへ
)
が
嫌
(
きら
)
ひなら、もう
玉
(
たま
)
ちやんのことは
話
(
はな
)
さないわ!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
粗々
(
あら/\
)
しい
逆立
(
さかだ
)
つた頭髮等は巧みに人相を變へてはゐたが、私にはロチスター氏であることが分つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
窓を切った松の樹の横枝へ、お君の顔と正面に、山を
背負
(
しょ
)
って、むずと
掴
(
つか
)
まった、大きな鳥の
翼
(
つばさ
)
があった。
狸
(
たぬき
)
のごとき
眼
(
まなこ
)
の光、灰色の胸毛の
逆立
(
さかだ
)
ったのさえ数えられる。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いいえ、」といって、お
母
(
かあ
)
さんは
跳
(
は
)
ね
起
(
お
)
きると、
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
を
焔
(
ほのお
)
のように
逆立
(
さかだ
)
てながら、「
世界
(
せかい
)
が
沈
(
しず
)
んで
行
(
ゆ
)
くような
気
(
き
)
がする。
気
(
き
)
が
軽
(
かる
)
くなるかどうだか、あたしも
出
(
で
)
て
見
(
み
)
ましょう。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
顏差し
覗
(
のぞ
)
きて
猫撫聲
(
ねこなでごゑ
)
、『や、や』と
媚
(
こ
)
びるが如く
笑
(
ゑみ
)
を含みて袖を引けば、今まで
應
(
いらへ
)
えもせず
俯
(
うつむ
)
き居たりし横笛は、引かれし袖を切るが如く打ち拂ひ、忽ち
柳眉
(
りうび
)
を
逆立
(
さかだ
)
て、
言葉
(
ことば
)
鋭
(
するど
)
く
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
体内の血が逆に流れ、総身の毛筋が
逆立
(
さかだ
)
つような内部の苦しい抗争であるのだから。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
云から待てゐよ必ず忘るゝ事
勿
(
なか
)
れと
憤怒
(
ふんぬ
)
の
目眥
(
まなじり
)
逆立
(
さかだ
)
つて
礑
(
はつ
)
たと
白眼
(
にらみ
)
兩の手をひし/\と
握
(
にぎ
)
りつめ
齒
(
は
)
を
喰
(
くひ
)
しばりし
恐怖
(
おそろ
)
しさに忠兵衞夫婦は
白洲
(
しらす
)
をも
打忘
(
うちわす
)
れアツと云樣立上り
迯
(
にげ
)
んとするを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
婦はそうなれば働き者の爺を引合いに出して、気力の弱って来た夫の気をいよいよ
逆立
(
さかだ
)
てる。先達はますますいきり立って婦に悪たれをつき、さては忠良な元三さえ
逆怨
(
さかうら
)
むようになった。
土城廊
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
逆立
(
さかだ
)
った女の髪のような、大竹藪の裾を巡り、頼春はソロソロと歩いて行った。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
少しも肉感を
逆立
(
さかだ
)
てない、品のいゝ肌質のこまかい滋味が、かの女の舌の偏執の扉を開いた。川
海苔
(
のり
)
を細かく忍ばしてある。
生醤油
(
きじょうゆ
)
の焦げた匂ひも
錆
(
さ
)
びて
凜々
(
りり
)
しかつた。
串
(
くし
)
の生竹も匂つた。
川
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
しかし小説は
逆立
(
さかだ
)
ちをしても書けまい。文筆の才は絶無だ。中学時代には宿題の作文を僕が書いてやった。それが大分点数の補いになっている。その代り僕は数学の宿題を手伝って貰った。
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
とまだ
少年
(
しょうねん
)
の
角兵ヱ
(
かくべえ
)
が
答
(
こた
)
えました。これは
越後
(
えちご
)
から
来
(
き
)
た
角兵ヱ獅子
(
かくべえじし
)
で、
昨日
(
きのう
)
までは、
家々
(
いえいえ
)
の
閾
(
しきい
)
の
外
(
そと
)
で、
逆立
(
さかだ
)
ちしたり、とんぼがえりをうったりして、一
文
(
もん
)
二
文
(
もん
)
の
銭
(
ぜに
)
を
貰
(
もら
)
っていたのでありました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
逆立
(
さかだ
)
ちして両足で金の
毬
(
まり
)
を
手玉
(
てだま
)
に取ったり、鼻の上に長い棒を立ててその上で
皿廻
(
さらまわ
)
しをしたり、飛び上がりながらくるくるととんぼ返りをしたり、その他いろいろなおもしろい芸をしましたので
手品師
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
川島の妹婿たる佐々木照山も蒙古から帰りたての蛮骨稜々として北京に傲睨していた大元気から小説家二葉亭が学堂提調に任ぜられたと聞いて
太
(
いた
)
く
激昂
(
げっこう
)
し、
虎髯
(
こぜん
)
逆立
(
さかだ
)
って川島公館に怒鳴り込んだ。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
梅子の
柳眉
(
りうび
)
は
逆立
(
さかだ
)
てり「軍人の思想は
其程
(
それほど
)
に卑劣なものですか」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
そなたの
梢
(
こづゑ
)
は波のやうに
逆立
(
さかだ
)
ち
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
黒虻
(
くろあぶ
)
の
尻
(
しり
)
の黄色が
逆立
(
さかだ
)
ちぬ
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
瑠璃子が、急いで応接室に
駈
(
か
)
け込んだとき、父はそこに、
昂然
(
こうぜん
)
と立っていた。半白の髪が、
逆立
(
さかだ
)
っているようにさえ見えた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
白は急に背中の毛が
逆立
(
さかだ
)
つように感じました。まっ黒! そんなはずはありません。白はまだ子犬の時から、
牛乳
(
ぎゅうにゅう
)
のように白かったのですから。
白
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
身長
(
みのたけ
)
七
尺
(
しやく
)
に
近
(
ちか
)
く、
灰色
(
はいいろ
)
の
毛
(
け
)
は
針
(
はり
)
の
如
(
ごと
)
く
逆立
(
さかだ
)
ち、
鋭
(
するど
)
き
爪
(
つめ
)
を
現
(
あら
)
はして、スツと
屹立
(
つゝた
)
つた
有樣
(
ありさま
)
は、
幾百十年
(
いくひやくじふねん
)
の
星霜
(
せいさう
)
を
此
(
この
)
深林
(
しんりん
)
に
棲暮
(
すみくら
)
したものやら
分
(
わか
)
らぬ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
松
(
まつ
)
の
木
(
き
)
は、
頭
(
あたま
)
の
毛
(
け
)
を
逆立
(
さかだ
)
て、いまにも
岩
(
いわ
)
からはなれて、
沖
(
おき
)
の
方
(
ほう
)
へ
飛
(
と
)
んでゆきそうな、いらだたしげなようすをしながら
海の踊り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お
百姓
(
ひゃくしょう
)
はふしぎに
思
(
おも
)
って、そっとそばに
寄
(
よ
)
ってみますと、それは
奇妙
(
きみょう
)
な
顔
(
かお
)
をして、
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
の
逆立
(
さかだ
)
った、
体
(
からだ
)
の
真
(
ま
)
っ
赤
(
か
)
な、
子供
(
こども
)
のような
形
(
かたち
)
のものでした。
雷のさずけもの
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
窪んだ眼にまさに没せんとする日が落ちて、頬冠りした手拭の破れから出た一束の白髪が
凩
(
こがらし
)
に
逆立
(
さかだ
)
って見える。
凩
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
老婆も私とさし向いに坐ったが、瘠せ枯れた白い手で襟元を直して、
蓬々
(
ほうほう
)
と
逆立
(
さかだ
)
った
髪毛
(
かみ
)
を撫で上げた。
空を飛ぶパラソル
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
逆
常用漢字
小5
部首:⾡
9画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“逆”で始まる語句
逆
逆上
逆手
逆鱗
逆落
逆様
逆茂木
逆捻
逆襲
逆巻