“牛乳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちち34.1%
ぎゅうにゅう31.8%
ミルク13.6%
ちゝ9.1%
ぎうにう6.8%
ぎうにゆう2.3%
ちヽ2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
別荘へは長男かしらわらべが朝夕二度の牛乳ちちを運べば、青年わかものいつしかこの童と親しみ、その後は乳屋ちちや主人あるじとも微笑ほほえみて物語するようになりぬ。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
顔をあらう牛乳ぎゅうにゅうと、のむブドウしゅがおいてありましたが、女のほうのむすめのまえには、顔をあらう水と、のむ水がおいてありました。
それでいてあがるものはというと、牛乳ミルクを少しと、鶏卵ばかり。熱が酷うござんすから舌が乾くッて、とおし、水でぬらしているんですよ。
誓之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「なんぼ広い紐育のまちだつて、まさか牛乳ちゝの絞れねえ牝牛に大枚一万四千弗もおツり出す馬鹿者も御座りましねえからの。」
……くだん牛乳ぎうにうびん引攫ひつさらふがはやいか——こゑけるなにもなかつた——茶革ちやがはくつで、どか/\とりてく。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
多分たぶん牛乳ぎうにゆう配達はいたつするためかなどで、あゝいそぐにちがひないとめてゐたから、此音このおとくとひとしく、もうけて、隣人りんじん活動くわつどうはじまつたごとくに、心丈夫こゝろぢやうぶになつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
丁度二時頃の今時分に毎夜此処ここ牛乳ちヽを取りに来た、自身でそれをしに来られなくなつた頃から私はもう死を覚期かくごしたなどヽ思ひ出すのです。ほこりの溜つた棚の向うの隅には懐中鏡が立てヽあるのです。
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)