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ぎうにう
……
件の
牛乳の
壜を
引攫ふが
早いか——
声を
掛ける
間も
何もなかつた——
茶革の
靴で、どか/\と
降りて
行く。
カスタード(
牛乳と
鷄卵とに
砂糖を
入れて
製したるもの)、
鳳梨、七
面鳥の
燒肉、トッフィー(
砂糖と
牛酪で
製して
固く
燔いた
菓子)、それに
牛酪つきの
𤍠い
炕麺麭
が、
例の
大鞄が、
其のまゝ
網棚にふん
反返つて、
下に
皺びた
空気枕が
仰向いたのに、
牛乳の
壜が
白い
首で
寄添つて、
何と……、
添寝をしようかとする
形で
居る。
朝、
牛乳を
飮んで、
涼しく、のんびりとして、
何となく、
莞爾して
一人で
居ました。
「
牛乳、
牛乳——
牛乳はないのか。——
夜中に
成ると
無精をしをるな。」