“引攫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひっさら63.3%
ひきさら13.3%
ひつさら6.7%
ひきさろ6.7%
ひッつか6.7%
ひきさらわ3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
揺れる火影ほかげに入乱れる処を、ブンブンとうなって来て、大路おおじの電車が風を立てつつ、さっ引攫ひっさらって、チリチリと紫に光って消える。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
縁あればこそ力にもなりなられてたがい嬉敷うれしく心底打明け荷物の多きさえいとう旅路の空に婚礼までして女房に持とうという間際になりて突然だしぬけ引攫ひきさらい人の恋を
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
五両なり十両なりそれを残らず引攫ひつさらつて飛出して、四日、五日、その金の有らん限り、流連ゐつゞけして更に家に帰らうとも為なかつた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
れば、此ぢや。……浜松の本陣から引攫ひきさろうて持つて参つて、約束通り、京極、比野大納言殿の御館おんやかたへ、しかも、念入りに、十二けんのお廊下へドタリとつた。」
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
七左、程もあらせず、銚子を引攫ひッつかんで載せたるままに、一人前ひとりまえの膳を両手に捧げて、ぬい、と出づ。
錦染滝白糸:――其一幕―― (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
唐突だしぬけですから、宵に手ぐすねを引いた連中も、はあ、と引呼吸ひきいきに魂を引攫ひきさらわれた拍子に——飛びました。その貴僧あなた、西瓜が、ストンと若い衆の胸へ刎上はねあがったでしょう。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)