“泥濘”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぬかるみ59.0%
でいねい22.5%
ぬか7.2%
ぬかる3.6%
どろ3.2%
ぬかり1.8%
ぬかりみ0.9%
ねかるみ0.9%
ぬかぬみ0.5%
ぬかりみち0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
泥濘ぬかるみは、荊棘とげいばら蔦葛つたかずらとともに、次第に深くなり、絶えず踊るような足取りでありを避けながら、腰までももぐる野象の足跡に落ちこむ。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
彼を助けて泥濘でいねいから引き出してくれる案内者はいなかった。彼は泥濘から外に出たと思ってる時に、ますますそれに落ち込んでいた。
半七は足もとに気をつけながら、大根卸しのように泥濘ぬかっている雪解け路を辿ってゆくと、二人の影は辰伊勢の寮の前で止まった。
半七捕物帳:09 春の雪解 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
原っぱはいつもそこにあり、池はいつもそこにあり、径はいつも泥濘ぬかるみ、校舎も柵も位置を動かない。道の長さが変る筈もない。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
雪は紛々ふんぷんとして勝手口から吹き込む。人達の下駄の歯についた雪の塊がなかば解けて、土間の上は早くも泥濘どろになって居た。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
髪は二寸も延びて、さながら丹波栗の毬を泥濘ぬかりみちにころがしたやう。目は? 成程独眼竜だ。然しヲートルローで失つたのでは無論ない。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
泥濘ぬかりみの、したゝりの森の小路よ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
一同は泥濘ねかるみの街路を進みだした。ねちねちした舗石の上にすべりがちな馬を、クリストフは手綱でとらえていた。ルイザは息子むすこと並んで歩きながら、彼を雨にあてまいとした。
溝店どぶだなのお祖師様と兄弟分だ、わかい内から泥濘ぬかぬみへ踏込んだためしのないおれだ、と、手前てめえ太平楽を並べる癖に。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とかうして車に乘れば醉とつかれにウト/\とねぶりかけしがガタリと車は止りて旦那こゝが小野の瀧でござりますと云ふ心得たりとり立しが泥濘ぬかりみちに下駄はたゝずバタリと轉べば後より下りし梅花道人またバタリ泥に手を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)