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泥濘
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ぬかる
ふりがな文庫
“
泥濘
(
ぬかる
)” の例文
原っぱはいつもそこにあり、池はいつもそこにあり、径はいつも
泥濘
(
ぬかる
)
み、校舎も柵も位置を動かない。道の長さが変る筈もない。
道
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
泥濘
(
ぬかる
)
む夜道をものともしないで、夜目にもチラチラ
艶
(
なまめ
)
かしく緋縮緬の裾を蹴返しながら、川越街道を、逆に江戸へ江戸へ、と
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
その真黒な
焦土
(
こげつち
)
が、昨夜来の降雨のために、じとじと
泥濘
(
ぬかる
)
んでいるので、その上には銀色をした
鞍
(
くら
)
のような形で、中央の
張出間
(
アプス
)
が倒影していた。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
我等が獄中
呻吟
(
しんぎん
)
の日々に於けるツシタラの温かき心に報いんとて 我等 今 この道を贈る。我等が築けるこの道 常に
泥濘
(
ぬかる
)
まず
永久
(
とは
)
に崩れざらん。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
胴を離れた首は、雨にたたかれて、見ている間に
臙脂
(
えんじ
)
色のあぶらを
泥濘
(
ぬかる
)
みにひろげ、蝋よりも青いものになった。
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
雨は少し烈しくなって来て、道が
泥濘
(
ぬかる
)
んできた。小太郎は、いつの間にか、
跣足
(
はだし
)
になっていた。髪が乱れていた。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
霜解けで土はだいぶ
泥濘
(
ぬかる
)
んで来ます。滑り加減の坂道を、靴の
踵
(
かかと
)
を踏み立てゝは丸味を帯びながら川へ下って行く丘を川岸へだら/\と降りて行きました。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
久し振りの
水無月
(
みなづき
)
十三日の月輪を空に見たが、先頃から雨天がちに、
木
(
こ
)
の
下闇
(
したやみ
)
はじめじめ
泥濘
(
ぬかる
)
んでいるし、低い道には思わぬ流れが出来ていたりして、主従十三騎の落ちて行く道は
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“泥濘”の意味
《名詞》
地面のぬかるんでいるところ。またぬかるんでいること。
(出典:Wiktionary)
泥
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
濘
漢検1級
部首:⽔
17画
“泥濘”で始まる語句
泥濘孔
泥濘路
泥濘道
泥濘滑澾