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泥濘
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どろ
ふりがな文庫
“
泥濘
(
どろ
)” の例文
雪は
紛々
(
ふんぷん
)
として勝手口から吹き込む。人達の下駄の歯についた雪の塊が
半
(
なか
)
ば解けて、土間の上は早くも
泥濘
(
どろ
)
になって居た。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
梅雨
(
つゆ
)
の間は二里の
泥濘
(
どろ
)
の
路
(
みち
)
が辛かった。風のある日には吹きさらしの
平野
(
へいげん
)
のならい、糸のような雨が下から上に降って、新調の夏羽織も
袴
(
はかま
)
もしどろにぬれた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「すると、あの野郎に決まってる。旦那、わっしゃあ其奴に手を藉して、
泥濘
(
どろ
)
ん中にめり込んで
足掻
(
あが
)
きが取れねえでいるやつの自動車を持上げてやったんで——」
双面獣
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
足先で探ると、水たまりや
泥濘
(
どろ
)
や投げ散らされ積み上げられた
舗石
(
しきいし
)
などが、感ぜられた。築きかけたまま見捨てられた
防寨
(
ぼうさい
)
だった。彼はその舗石をまたぎ越して、防寨の向こうに出た。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
他の友達は、
下駄
(
げた
)
の
歯
(
は
)
になって、
泥濘
(
どろ
)
の路石ころ路を歩いて居る。他の一人は
鉋
(
かんな
)
の台になって、大工の
手脂
(
てあぶら
)
に光って居る。他の友達は
薪
(
まき
)
になって、とうに灰になった。ドブ板になったのもある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
泥濘
(
どろ
)
の中にて彼等のためにやさしくひらいた花のおんみ
或る淫売婦におくる詩
(新字新仮名)
/
山村暮鳥
(著)
明方
(
あけがた
)
から降り出した雨なので、
路
(
みち
)
はまだそうたいして悪くなかった。車や馬の通ったところはグシャグシャしているが、拾えば
泥濘
(
どろ
)
にならぬところがいくらもある。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
泥濘
(
どろ
)
の中にて彼等のためにやさしくひらいた花のおんみ
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
田植時分
(
たうえじぶん
)
には、雨がしょぼしょぼと降って、こねかえした田の
泥濘
(
どろ
)
の中にうつむいた
饅頭笠
(
まんじゅうがさ
)
がいくつとなく並んで見える。いい声でうたう田植唄も聞こえる。植え終わった田の緑は美しかった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
“泥濘”の意味
《名詞》
地面のぬかるんでいるところ。またぬかるんでいること。
(出典:Wiktionary)
泥
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
濘
漢検1級
部首:⽔
17画
“泥濘”で始まる語句
泥濘孔
泥濘路
泥濘道
泥濘滑澾