“でいねい”の漢字の書き方と例文
語句割合
泥濘100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大石橋だいせっきょうの戦争の前の晩、暗いやみ泥濘でいねいを三里もこねまわした。背の上から頭の髪まではねが上がった。あの時は砲車の援護が任務だった。
一兵卒 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
水は半ば凍り、泥濘でいねいはぎを没する深さで、行けども行けども果てしない枯葦原かれあしはらが続く。風上かざかみまわった匈奴の一隊が火を放った。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
二十七、八年ごろの銀座の大通りが馬糞と塵埃のカクテル、雨でも降ると文字どおり泥濘でいねい膝を没する有様、銀ブラどころの騒ぎでなかった。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)