“ぬかり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
泥濘33.3%
脱落33.3%
脱心8.3%
8.3%
逸脱8.3%
遺漏8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なう悲しやの一雫、道の泥濘ぬかりも帰るさは、恋しき土地の記念かたみかと。とかくは背後うしろへひかるる跡を、心深くも印せしなるべし。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
なまじいに心せぬ体でなぐさめたのがおれの脱落ぬかりよ。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
飛んだことになりました、申訳がございません。「なあに貴下あなたの落度じゃない、僕が職務の脱心ぬかりであった。いやしからば。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
脱心ぬかりたりと心急立せきたち、本郷のとおりへ駈出でて、東西を見渡せば、一町ばかりさきに立ちて、日蔭を明神坂の方へ、急ぎ足に歩み行く後姿うしろつきはその者なれば、遠く離れて見失わじと、裏長屋の近道をくぐりて
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
黄金丸は鷲郎とおもてを見合せ、「ぬかり給ふな」「脱りはせじ」ト、互に励ましつ励まされつ。やがて両犬進み入りて、今しも照射ともしともろともに、岩角いわかどを枕としてねぶりゐる、金眸が脾腹ひばらちょうれば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
なるほどそれは迂濶といえばいえるが、この逸脱ぬかりは辞職の理由にはならない。なぜかといえば、それは可能性の限界外の問題で、手落ちとか失態とかいうことじゃないからだ。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ただし富岡老人に話されるには余程よほどよき機会おりを見て貰いたい、無暗むやみに急ぐと却て失敗する、この辺は貴所において決して遺漏ぬかりはないと信ずるが
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)